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写真はワシントン大学内科のresident photobiographyから抜粋。
興味のある方はワシントン大学内科のCLASS OF 2002のinternsのところを見てください
アメリカ人のポートレイトによくある、作り物のようににっこり笑った写真が見たかったな、加藤先生。


 
氏名 加藤良太朗(かとう りょうたろう)
出身大学 東京大学医学部 1999年卒
経歴 1999年5月 帝京大学医学部附属市原病院 麻酔科研修医
2001年6月 ワシントン大学内科 インターン
コメント

アメリカはセントルイスで内科研修をはじめて早8ヶ月。インターン生活にもようやく終わりが見えてきました。もうすぐ人権が得られるという喜びや期待の一方で、それについてくる責任という重い荷物を背負うことへの不安を感じながら過ごしているこの頃です。

思えば「人生は生かされるのではなく生きろ」という教授の言葉に惹かれて市原で研修を始めてからすでに3年。小学校の国語でよく抜粋さていた「しろばんば」という井上靖の小説で「光陰矢のごとし」と書初めをする場面がありましたが、最近よく脳裏をよぎります。皆さんの中で学生の間に「これだ!」と思う科を見つけた人は何人いるでしょうか。私は学生の頃は外科医になろうと漠然と考えていました。幼少時から器用だとおだてられ、将来は外科医だと嘱望されていたからでしょう、と思っていましたが、最近になって、実は外科ではなく、画家、私が幼少時から絵が好きだったので画家にと言われていたことが分かって多少困惑しています。

さて、話を戻しますと、日本の外科にはあまり魅力を感じることが出来ず悩んでいたところ、教授に会い、アメリカででっかく外科をやろうと決心しました。ところが、市原で麻酔を2年やりながら手術を毎日みていたら、自分が本当にやりたいことではないと思うようになり、結局アメリカで内科を選ぶに至りました。今では「寿司と挿管のことならKATOに聞け」と内科で非常に重宝されています。これも市原でよく寿司をご馳走になったお陰と日々スタッフに感謝しております。

市原での研修の魅力は「多様性」に尽きると思います。私のように毎日勉強する者もいれば、某研修医のように毎日飲みに行く者もいます。麻酔ばかりする医者もいればICUを好む医者、オペ室には入らずペイン外来をする医者もいます。バイトで稼ぎまくる医者に研究を重ねる医者、銀座好きもいれば六本木好き、渋谷好き、と枚挙に暇がありません。アメリカ留学だけでなくオーストラリアや英国と、まるでNGOです。将来何科なんて小さなことにも誰もこだわりません。内科、外科、整形、眼科、いろんな卒業生がいます。患者のために働くという点では皆同じ。風呂に入るときには皆裸です。ただ、麻酔をするとより患者側にたって考えるようになるので、最初に麻酔をするのはいい選択です。先に内科や外科をすると患者が嫌いになります。

いろいろな医者と話しているといろいろなアイディアが生まれます。エネルギーが沸いてきます。この医局は活火山です。皆さんも一緒に爆発してみませんか?見ているだけでは火傷します。ちなみに当医局には熱傷専門家がいます。

質問・苦情は下まで。

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