• 研究課題1
  • 課題名
  • 非興奮性細胞におけるカルシウム依存性カリウムチャネル(IKCa)の発現と機能
  • 研究責任者
  • 帝京大学ちば総合医療センター病理部 教授 石田康生
  • 研究の意義と目的
  • 非興奮性細胞におけるカルシウム依存性カリウムチャネル(IKCa)の発現と機能を明らかにする。
  • 研究の概要
  • イオンチャネルは生命が発生してから間もなく細胞の機能(生命)の維持のために備わってきた最も基本的な細胞装置です。研究の対象としているIKCaチャネルは細胞活動の重要なシグナルの一つであるカルシウムイオン濃度の変化によって活性化するチャネルで、細胞機能の多彩な調節に関与していると考えられています。関与する現象は免疫細胞の活性化、細胞容量の維持調節、腸管での陽イオンの出入の調節、腫瘍細胞の遊走など多岐にわたり、既知のIKCaチャネルの持つ単純な作用では説明できません。チャネル研究は極めて精緻な分子生物学的研究と巨視的な細胞機能の研究からなるため、それらの成果に乖離がみられることも少なくありません。現在、その間に発する疑問点をチャネル分子のマニピュレーション技術を用い、in vitroで解明することを中心に検索を進めています。本プロジェクトの目的はIKCaチャネルの発現から機能に至る詳細を再度確認し、多くの不明点と矛盾点を説明することにあります。一方で、IKCaチャネルの阻害剤が炎症性腸疾患の治療に使用可能であるかの検討も世界的に進行しており、このチャネルのより正確な機能の解明が種々の疾患の病態解明、臨床応用につながると考えています。
  • 試料・情報の採取期間
  • これまでに樹立された細胞株を用いた研究で臨床検体は用いない。
  • 研究課題2
  • 課題名
  • 膀胱腎盂尿管原発尿路上皮癌における遺伝子変異の可視化と細胞診断への応用
  • 研究責任者
  • 帝京大学ちば総合医療センター病理部 准教授 山﨑一人
  • 研究の意義と目的
  • 膀胱腎盂尿管原発尿路上皮癌細胞診検体病理組織検体に含まれる腫瘍細胞のうち、頻度の高い特定の遺伝子変異を有するものを可視化するシステムを構築する。
  • 研究の概要
  • Sanger法を用いて、(1)病理組織検体に含まれる腫瘍細胞におけるFGFR3遺伝子hTERT遺伝子の変異を検索し、(2)これらの変位を病組織切片細胞診検体上で、in situ LAMP法を用いて同定し得るシステムの構築を目指します。
    対象は、これまでに膀胱腎盂尿管原発尿路上皮癌の患者さんから採取された病理組織細胞標本で、当院で管理されている標本を使用します。この際、連結不可能匿名化によって各患者さんと解析結果が対応しないようにすることによって、患者さんの個人情報は完全に保護されます。なお、遺伝性疾患は解析対象としません。本研究はヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則、及び臨床研究に関する倫理指針に従って実施され、研究期間は平成27年から3年間です。
  • 上記試料・情報の採取期間
  • 平成10年1月から研究終了時までの既存病理検体
  • 研究課題3
  • 課題名
  • 遺伝子発現様式に基づく腎細胞癌の組織分類の試み
  • 研究責任者
  • 帝京大学ちば総合医療センター病理部 講師 山田正俊
  • 研究の意義と目的
  • 遺伝子発現様式に基づく腎細胞癌の新たな組織分類の試み
  • 研究の概要
  • ZOファミリータンパクは接着帯における足場タンパクとしての役割を担っており、細胞接着に関与するほか、細胞周期に関与する種々のタンパクと協調し、細胞増殖にも 寄与することが知られています。腎におけるZOタンパクの発現は尿細管上皮に見られますが、腎細胞癌におけるZOタンパクの発現は未知です。本研究では腎細胞癌におけるZOタンパク、並びに関連タンパクの発現に関し、mRNAレベルから解析し悪性度や予後との相関を調査します。
    対象は、これまでに腎癌の患者さんから採取された病理組織標本で、当院で管理されている標本を使用します。この際、連結不可能匿名化によって各患者さんと解析結果が対応しないようにすることによって、患者さんの個人情報は完全に保護されます。なお、遺伝性疾患は解析対象としません。本研究はヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及び臨床研究に関する倫理指針に従って実施され、帝京大学倫理委員会の承認後3年を実施期間を見込んでいます。
  • 上記試料・情報の採取期間
  • 平成10年1月から研究終了時までの既存病理検体
  • 研究課題4
  • 課題名
  • B細胞型リンパ腫におけるNF-kBシグナル伝達経路の活性化変異の解析
  • 研究責任者
  • 帝京大学ちば総合医療センター病理部 准教授 山﨑一人
  • 研究の意義と目的
  • 精巣、中枢神経、及び皮膚原発のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫における、NF-kB signal伝達経路の活性化変異とsurvival signalの関連を解析する。
  • 研究の概要
  • 近年、immune-privileged site原発のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)において、NF-κBシグナル伝達経路を調節する因子(A20、CARD11、CD79B、MYD88など)の遺伝子変異の頻度が高いことが明らかとなっています。当教室では、これらのシグナルが腫瘍細胞のsurvivalに関与するメカニズムの解析を行っています。
    対象は、これまでにDLBCLの患者さんから採取された病理組織細胞標本で、当院で管理されている標本を使用します。この際、連結不可能匿名化によって各患者さんと解析結果が対応しないようにすることによって、患者さnの個人情報は完全に保護されます。なお、遺伝性疾患は解析対象としません。本研究はヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及び臨床研究に関する倫理指針に従って実施され、研究期間は平成27年から3年間です。
  • 上記試料・情報の採取期間
  • 平成2年1月から研究終了時までの既存病理検体
  • 研究課題5
  • 課題名
  • 子宮頚癌頚部異形成における染色体増幅とヒトパピローマウイルス(HPV)感染の検討
  • 研究責任者
  • 帝京大学ちば総合医療センター病理部 准教授 山﨑一人
  • 研究の意義と目的
  • 子宮頸部病変における感染HPV型と染色体増幅、及び進行期の関連を解析する。
  • 研究の概要
  • 子宮頸癌は、日本人女性では年間約9,000人の新規患者が発生し、約2,500人が死亡している悪性腫瘍で、主たる原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染です。当教室では、HPV遺伝子の型を特異的プライマーを用いたマルチプレックスPCRにて行う検査法を開発中です。HPV型と病変における染色体増幅、進行期との関連を調査し、子宮頸部異形性病変の適正な管理に役立つ情報を提供できるよう努力します。
    対象は、これまでに子宮頸部異形成悪性腫瘍の患者さんから採取された病理組織細胞標本で、当院で管理されている標本を使用します。この際、連結不可能匿名化によって各患者さんと解析結果が対応しないようにすることによって、患者さんの個人情報は完全に保護されます。なお、遺伝性疾患は解析対象としません。本研究はヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及び臨床研究に関する倫理指針に従って実施され、研究期間は平成27年から3年間です。
  • 上記試料・情報の採取期間
  • 平成2年1月から研究終了時までの既存病理検体