第１位は消化器内科で大腸ポリープの患者さんに対して内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を実施している患者さんです。また、近年の高齢化を反映して、憩室疾患腸管の炎症性疾患、胆石や悪性腫瘍などの患者さんが多くなっています。緊急に種々の処置が必要な方も多く、状況に応じて迅速に適切な処置・治療を行っています。
第２位、4位、5位は循環器内科で狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患の患者です。細い管（カテーテル）により病変の有無や程度を確認する心臓カテーテル検査を行い、重症の場合はカテーテルを用いて病変を広げて血液を流れやすくする治療（PCI）を行っております。
第３位の２型糖尿病はクリニカルパスを用いて教育入院を行っており、合併症の精査や栄養指導が組み込まれています。

小児科では、小児全般の疾患に対応しており、急性気管支炎や小児喘息といった呼吸器系疾患の患児をはじめ、食物アレルギー、感染性胃腸炎などの患児が年間を通して多く入院しています。
また新生児の入院においては産科と連携して小児科医が携わり診療を行っています。内分泌疾患についても積極的に受け入れております。

症例数が一番多いのは大腸小腸の良性疾患（良性腫瘍を含む）で内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を実施している患者さんとなります。
急性胆管炎や消化管出血など緊急処置を要する患者さんも多数受け入れており腹腔鏡下胆嚢摘出術や内視鏡下消化管止血術等を行っています。
また鼡径ヘルニアの患者さんの症例数も多く、患者さんの身体的負担を軽減するため積極的に鏡視下手術を行っています。開腹手術に比べて傷が小さいため、術後の回復が早く、入院期間も短く済む利点があります。
また、2023年1月より乳腺外科の診療を再開致しました。
乳腺外科では乳癌をはじめ、乳腺に関連する疾患全般の診断・治療を行っています。乳癌のほか、乳腺症、線維腺腫、葉状腫瘍、乳腺炎などを対象としています。超音波検査、マンモグラフィ、CT、MRIなどの画像検査、および病理検査による迅速な診断と、手術・薬物療法・放射線療法など乳癌診療ガイドラインに沿った治療を行っています。

整形外科では、地域の医療機関と連携をとりながら、外傷、関節、骨軟部腫瘍、脊椎などの疾患を幅広く受け入れています。
ＤＰＣコード別では、大腿骨骨折の手術症例が最も多く、手術後はリハビリを継続するため、地域の医療機関へ転院していただいています。
次いで脊柱管狭窄症、脊椎炎や椎間板ヘルニア、変形性膝関節症、変形性股関節症等で手術を受けた患者さんとなります。

脳神経外科では、硬膜下血腫の患者さんが数多く占めています。転倒等での頭部外傷が起因となることが多く70歳以上の高齢者の方が多く見受けられます。
脳梗塞・急性期の患者さんも多く受け入れており、エダラボンの投与や緊急手術等に対応出来る体制を整えています。
第5位の脳動脈瘤の患者さんに対しては脳血管内の手術を実施した症例数となります。治療後はリハビリを継続させられるよう、専門病院への転院調整にも取り組んでいます。

婦人科では、良性腫瘍（子宮筋腫・卵巣のう腫）や、悪性腫瘍（卵巣癌・子宮体癌・子宮頸癌）、他にも子宮内膜症、骨盤内感染症等などの診療を行っています。
悪性腫瘍に対する治療は、手術後の病理組織結果によって抗がん剤治療が必要になることがあります。当センターでは、手術に限らず、抗がん剤治療、放射線療法を併用し各診療科と連携して取り組んでいます。
また、子宮の良性腫瘍に対する治療も積極的に行っています。
202２年4月からは腟からの腹腔鏡下手術(vNOTES)、2024年3月から手術支援ロボット（ダヴィンチ）による子宮全摘術を開始しました。

最も症例数が多いのは、白内障治療のための水晶体再建術です。
上記の集計は２泊３日での入院治療のものです。
クリニカルパスを活用し、医療の質向上や患者さんの負担軽減に努めています。

耳鼻咽喉科では、耳・鼻・のど・頭頸部の幅広い疾患を扱います。
様々な疾患がありますが、慢性副鼻腔炎の疾患が多い結果となりました。
また慢性中耳炎で入院し鼓室形成手術を受けた患者さんも多数います。

放射線科は画像診断，画像下治療(IVR)，放射線治療の3分野に分かれています。画像診断部門では、患者さんの画像検査を画像専門医が読影し、専門的な見解を加えて報告書を作成し、患者さんの担当医師に報告します。画像下治療では、画像を見ながら病変にカテーテルと呼ばれる細い管を通して治療をします。症例によって、カテーテルから薬剤を注入したり、血管を塞栓したり、治療に必要な管を留置します。県外からも多くの患者さんが紹介されて来られてます。
放射線治療は、各科と協力・連携し、悪性腫瘍に対する根治的もしくは緩和的に放射線治療を行っています。
また下記の疾患について血管内治療（血管系IVR）を施行しています。
・透析シャント閉塞、機能不全に対するPTA　・HCCに対するTACEなどの多血性腫瘍に対しての血管内治療
・ASOに対してのPTA　・子宮筋腫に対してのUAE　・食道静脈瘤治療、胃静脈瘤治療
・AVM（臓器は多岐にわたって対応可能）　・多発性嚢胞腎、肝嚢胞　・針生検

第1位は脳梗塞（脳卒中発症３日目以内かつJCS10未満）でリハビリ治療を受けた患者さん、第３位が脳梗塞（脳卒中発症３日目以内かつJCS10未満）でエダラボン投与による治療を受けた患者さんとなっています。
症例数が10件未満は省略となっておりますが、筋萎縮性側素硬化症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの進行期の神経難病を抱える患者さんが安心して在宅療養ができるよう、地域の診療所、訪問看護センターと密接な連携を取り、急な病状悪化にも対応できる診療体制を有しております。

症例数が10件未満は省略となっております。皮膚の悪性腫瘍や良性腫瘍に対する手術治療が多くを占めています。
全国平均在院日数よりも短い入院期間でスムーズに退院できるよう努めています

第１位は前立腺がん（疑い）に対しての前立腺生検（検査）、第２位は上部尿路疾患（尿管結石等）に対して尿路結石除去術施行となっています。
泌尿器尿路疾患に幅広く対応しています。特に悪性疾患（腎細胞癌、前立腺癌、膀胱癌など）に対する治療を積極的に行っています。
また患者さんに負担が少ない低侵襲治療として、腹腔鏡下手術、手術支援ロボットを推進しています。

救命救急センターとしての役割も担っており、主に３次救急を中心とした救急診療と集中治療を担当しております。
蘇生術を必要とする重篤な状態の方、重度の多発性外傷、広範囲熱傷、急性薬物中毒、急性アルコール中毒、熱中症、低体温症、敗血症、DIC、ショック状態の方等、生命の危機に瀕した患者さんを多く診療しています。
患者さんの状態によって地域の医療機関と連携し、一人一人に適した医療の提供に努めてしています。
また、災害拠点病院として対応すべくＤＭＡＴ（災害派遣医療チーム）を編成しています。

大腸ポリープの患者さんを多く受け入れおり内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術の実施件数が一番多くなっています。
第２位は慢性腎不全の患者さんへ内シャント増設術を実施した件数です。透析のためのシャント増設手術や、シャントトラブルに対する治療を受けた患者さんのフォローアップも行っています。透析シャントは時に閉塞や狭窄をすることがあり拡張、血栓除去などの血管内治療も手がけています。
次いで循環器内科の手術として、急性心筋梗塞には経皮的冠動脈インターベンション（PCI）などの手術を行い、心不全や不整脈の患者には大動脈内バルーンパンピング（IABP）、経皮的心肺補助（PCPS）、ペースメーカーなどにより対処しています。手術件数の上位は経皮的冠動脈ステント留置術が占めており、内訳の違いは急性心筋梗塞に対する手術か、不安定狭心症に対する手術か、その他の虚血性心疾患に対する手術かで分かれています。

外科・消化器外科では主に消化管外科（食道、胃、大腸）、肝胆膵外科（肝臓、胆管、胆嚢、膵臓、脾臓）及びヘルニア等を扱っています。
悪性疾患から、炎症・腸閉塞・鼠径ヘルニア・良性腫瘍など良性疾患に対する治療を主に行っています。
外科手術では準治療ガイドラインにそって主に腹腔鏡下手術等も施行しています。腹腔鏡を使った小さなキズでおこなう手術を積極的に行っています。

膝・股関節疾患、脊椎疾患、リウマチ疾患、スポーツ医学、骨軟部腫瘍疾患を中心とした専門性の高い診療を行っています。
上記の通り、人工関節置換術（股）、人工骨頭挿入術（股）脊椎固定術、椎弓切除、椎弓形成術、骨折観血的手術（大腿）を多く実施しています。
当センターは３次救急にも対応しているため、多発外傷、骨盤骨折、脊髄損傷などの治療も多く手がけています。
また、透析室も有しており人工透析が必要な患者さんも対応可能です。

緊急性の高い脳卒中や頭部外傷などの患者さんも多く受け入れており、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術やクモ膜下出血に対しての脳血管内手術、脳血栓に対して経皮的脳血栓回収術を多く実施しています。
診断後、早急に手術を実施出来る体制を整えているため、上記の手術の術前日数は概ね1日未満となっています。

婦人科腫瘍専門医、がん治療専門医の資格を有する医師が複数在籍していることもあり、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの手術を多く実施しています。
内視鏡を用いた低侵襲性治療に積極的に取り組んでいます。2024年3月から手術支援ロボット（ダヴィンチ）による子宮全摘術を開始しました。
周産期部門では原則的には自然陣発による分娩を目指していますが、帝王切開術も例年多くの件数を実施しています。
2023年からは条件付きで無痛分娩も行っています。
合併症を有するハイリスク妊娠は、関連各科と密に連絡をとり、慎重に管理しています。

白内障に対して水晶体再建術を多く実施しています。
クリニカルパスを活用し、２泊３日の入院で行っています。

耳鼻科一般診療（扁桃炎、鼻炎、中耳炎等）に加え、めまい、鼻出血など救急疾患にも対応しています。
手術では上記の通り鼓室形成手術、口蓋扁桃摘出術の件数が多くなっています。

画像診断装置を用いて行う専門性の高い治療を行っています。血管塞栓術を始めほとんどの手術が局所麻酔下で行えるため、体への負担が少ない低侵襲での治療が多いのが特徴です。

皮膚悪性腫瘍切術が順位1位となっており、平均術後日数は約５日間となっています。

尿路結石症、泌尿器悪性腫瘍(腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん)に対する治療症例数が多くなっています。
当科では尿路結石に対する内視鏡下でのレーザー破砕術を導入しております。
また、前立腺がん、腎がん、尿管がん、膀胱がんに対するロボット支援下手術ならびに鏡視下手術、膀胱がんに対する経尿道手術や新膀胱造設を併用した根治手術も行っています。