救命救急センターの「名言」
関西から研修に来たばかりの某外科医が、初めてhotlineを手伝うことになって救急外来に出た。慌ただしく処置が行なわれているなか看護婦の一人が、
ベテランとなったあるナースのフレッシュマンの頃の逸話である。脳動脈瘤の術後、脳室内やクモ膜下腔の血腫が凝固し溶解が遅延するのを防ぐために、常時頭部を揺り動かす装置で「ニューロシェイカー」と言う機械がある。新人ナースは数ある医療機器の名前や取り扱いを覚えるのは至難の業である。クモ膜下出血(SAH)の患者を受け持った某ナースは申し送りで、 無論、シェイク(shake)は「ゆする、ゆさぶる、ふるわせる、振る、握手する、振動、ふること」と言った意味で、頭部を「ゆする」ことから「ニューロシェイカー」と言う商品名がついているのであるが、クラッシュ(crash)は「ガチャン、バリバリ」と言った擬音語からでた言葉で「ぶちこわす、つぶれること、倒壊、崩壊、墜落する」と言った意味の言葉である。神経(neuro-)を破壊(crash)してもらっては困るのであるが、いかほど効果のあるものか............. |
鈴木 宏昌 (dangan@ppp.bekkoame.or.jp)
Hiromasa Suzuki, MD