【皮膚の解剖】
皮膚は表皮(epidermis)と真皮(dermis)より成り立っている。熱傷は皮膚の損傷であるから深度(深さ)は表皮及び真皮の何処まで損傷が及んでいるかで分類されている。 例えば、皮膚の厚さが平均1mmとしても、体重70kgの成人では体表面積はおよそ1.8m^2であるから、 0.1cm × 18,000cm^2 = 1.8L ≒1.8kg と言うことになり、皮膚を一つの臓器と考えると如何に大きな臓器であるかが分る。 |
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【熱傷深度の表記】 熱傷深度(深さ)の表現は、日本熱傷学会で次のように分類されている。この分類は、解剖・組織学的な分類であるが、臨床症状とも良く一致する。
表皮(角質層)のみの損傷 真皮に及ぶ損傷 真皮の表層部(有棘層・基底層)に留まる損傷 真皮の深層部(乳頭層・乳頭下層)に達する損傷 表皮と真皮全層の損傷
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【熱傷深度の鑑別法と症状・経過】 熱傷深度の分類と所見、治癒期間などをまとめると次のようになる。簡単に言えば、疼痛がなければIII度(DB)で、水疱があればII度、発赤だけならI度である。
I度は誰でもが経験する「日焼け」が身近な例である。お湯を掛けて水疱が出来るのはIIs(SDB)で、火炎による熱傷で白くなるのはIII度である。 |
[ REFERENCES ]
日本熱傷学会用語委員会編:熱傷の分類と深度, 熱傷用語集,p.51,1985.
最新の熱傷臨床ーその理論と実際ー. 平山峻,島崎 修次編. 克誠堂出版株式会社,東京,p.89,1994.