病院におけるクリティカルパスへの取り組み

2.帝京大学EBM医療センター構想

 このクリティカルパスの活動は、昨年度から帝京大学医学部ならびに付属病院で全般的に進められている活動の一部を成しています。1999年、文部省からの補助を受け、総長先生のご判断のもと、帝京大学EBM医療センター構想が立ち上がり、運営委員会のもと、診療支援システムと診療情報管理システムの2つのシステムを立ち上げようとしています。

 診療支援システムとは、日常の診療判断を支援するための情報を提供するシステムです。現在、帝京大学では、必要な科学的根拠を得るためのデータベースであるコクランライブラリーを病院内のLANと接続し、いつでも必要な情報をみることができるようにしています。

 また、診療情報管理システムとは、診療から得られる情報を根拠として蓄積するためのシステムです。1998年に、医療記録等の電子媒体による保存が認められ、わが国においても、医療記録の電子化が盛んに行われるようになってきています。そのため、将来の電子カルテ化を目指したオーダーリングや、病名情報管理システムの開発をはじめるとともに、診療過程そのものをシステム化するためにクリティカルパスを導入することを決定しました。つまり、この「ハートパス」は、クリティカルパスの最初のテストケースとして立ち上がったのです。

 


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