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タイトルをクリックすると、コクランライブラリーについての各内容にジャンプします。
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1.コクラン共同計画 | |||||||||
コクラン共同計画(The Cochran Collaboration)は、1992年にイギリスの国民保健サービス(National Health Service: NHS)の一環として始まり、現在、世界的に急速に展開している治療、予防に関する医療テクノロジーアセスメントのプロジェクトである。無作為化比較試験(randomized controlled trial: RCT)を中心に、世界中のclinical trialのシステマティック・レビュー(sytematic review; 収集し、質評価を行い、統計学的に統合する)を行い、その結果を、医療関係者や医療政策決定者、さらには消費者に届け、合理的な意思決定に供することを目的としている。Evidence-based medicine (EBM)の情報インフラストラクチャーと呼ばれている。 その特徴は、
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2.コクラン共同計画のロゴマーク | |||||||||
コクラン共同研究のロゴは、7つの無作為化比較試験(Randomized
Controlled Trials: RCTs)をもとに行われた系統的レビュー(Systematic
review)を図式化したものである。
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ロゴの原型となったこの図は、早産の恐れのある妊婦を対象として行った、短期間でしかも安価な副腎皮質ホルモンの治療(RCTs)に関する系統的レビューの結果を示す。最初のRCTは、1972年に発表されたが、その後10年間に行われたこの点に関するすべての治療を系統的にレビューし、要約したものである。上記の説明にしたがって、この図をみると、副腎皮質ホルモンの使用が未熟児合併症で死亡する児のリスクを明らかに減少させていることがわかる。1991年までには、さらに7件のRCTsが報告され、ロゴで示された結果は一層顕著なものとなった。すなわち、未熟児合併症で死亡するリスクは、副腎皮質ホルモン治療により、オッズ比で30%ないし、50%少なくなっている。 1989年までは、このような臨床試験を系統的にレビューした結果は発表されていなかったため、ほとんどの産科医は、この治療法がこれほど有効であるとは認識していなかった。その結果、未熟児1000人中10人が、余計に死亡したものと推測される。ヘルスケアに関して、RCTsの系統的レビューを怠ったために生じた、人的/経済的損失はこれ以外にも数多くあり、ここに示したものはほんの一例に過ぎない。 [目次へ] |
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3.Archiebald Cochrane | |||||||||
コクラン共同研究の名称は、英国の医師Archiebald Cochrane(1908−1988)の名に由来している。彼は、1972年に出版された著書「Effectiveness and Efficiency: Random Reflections on Health Services」のなかで、多大な影響を与えたことでよく知られている。彼は、同著の中で
ことが大切であると力説している。 特に彼が強調したのは、RCTsから得られた結果を用いることの重要性である。その理由は、RCTsは他のいかなる方法で得られた結果よりも、この方がはるかに信頼性の高い情報を提供するからである。コクランのこの明快な提案の重要性は、医療の専門家だけでなく、一般の人々からも広く認識されるようになり、速やかな支持を得たが、その考えを実現する作業は遅々として進まなかった。これは、ヘルスケアの効果に関して、得られた確定的な知見が、しばしば種々の既得権を脅かすことにもなるという一面を反映したためであった。しかし、これよりももっと大きな問題は、こうした知見を治療方針決定のために知りたいと思う人々が、その情報に容易にアクセスできないという点にあった。 [目次へ] |
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4.システマティック・レビュー | |||||||||
コクラン共同計画を始めた人は、Lain
Chalmerというイギリス人の産婦人科医である。彼は、コクランの弟子で、1992年に正式にコクラン共同計画を始める前に、10年以上システマティック・レビューを周産期領域で行っていた。
システマティック・レビューの具体的な方法は、下記に示すステップとなっている。
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5.コクランライブラリー | |||||||||
コクラン・ハンドブックを、システマティック・レビューにおけるいわばinputのためのツールとすれば、できあがったoutputとなるのが、CDSR(The Cochrane Database of Systematic Reviews)である。このCDSRをメインとしたCD-ROMが、コクランライブラリー(Cochrane Library)と呼ばれるものである。定期的に改訂されている。このコクランライブラリーは、「Effective case in Pregnancy and Chldbirth」という周産期医学についてのプロダクトが母体となっている。
このCD-ROMは、コクラン共同計画が行ったレビューの結果のほか、コクラン以外による総説、システマティックレビュー論文のデータベース、現在登録されている臨床試験のデータベース、システマティックレビューの方法論についての論文集が含まれてる。以下に内容を示す。
1.The Cochrane Database of Systematic Review (CDSR)コクラン共同計画の中核となるデータベースであるが、系統的な方法で徹底した情報収集を行い、批判的吟味をし、一定の基準を満たした論文をベースに、治療、予防効果をそれらの論文結果の指標を統合したオッズ比(相対危険)の形で提供している。最新のバージョン(1999, issue 4)では、663のシステマティックレビューが利用でき、624の計画中、あるいは進行中のレビューがある。1年に4回の改訂が行われ、改訂のたびに大幅な内容の追加が行われている。 2.The York Databae of Abstracts of Reviews of Effectiveness (DARE)英国のYork UniversityのNHS Center for Reviews and Disseminationで一定のふるいにかけられた総説、メタアナリシスの論文のデータベースで、現在2,470の論文がデータベース化されている。そのうち、1,333は抄録で見ることができる。構造化抄録(structure abstract)の形をとっている。 3.The Cochrane Controlled Trials Register (CENTRAL/CCTR)比較対照研究のデータベースで、最新バージョンでは250,798の論文が登録されている。この中にはMED-LINEだけでなく、EMBASEやそれ以外のものも含まれており、治療についてのデータベースとしてはMED-LINEより網羅的なデータベースとなっている。そのうち、CENTRALとは、ランダム化比較試験(RCT)の可能性がある論文がひとまず登録されるデータベースで、RCTであることが確認されると、CCTRに登録される。 4.The Cochrane Review Methodology Database (CDMD)Systematic Reviewに関する方法論の論文の書誌情報のdatabaseである。About the Cochrane Collaboration
このうち、About the Cochrane CollaborationのCRGsをクリックすると、トップに出てくるSummary of CRG outputは、終了した[Review]や、現在進行中の[Protocol]のリストで、一度目を通しておくと、browsingできて全体の理解が深まる。 [目次へ] |
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6.コクランライブラリー入手方法 | |||||||||
BMJ出版部(FAX +44-171-383-6662)、Update Software社(FAX +44-1865-516918)に直接申し込むほか、日本では、南江堂洋書部(TEL 03-3811-9957、FAX 03-3811-5031)が代理店となっており、そこからも入手できる。インターネット接続によるオンライン版とWindows対応のCD-ROM版がある。価格は、南江堂洋書部からの購入で、4回バージョンアップを含め、36,000円である。 Mac版は、1996年以降販売されていないが、1999年度よりAries Systems社が別の検索エンジン(Knowledge Finder)を搭載したハイブリットCD-ROMを販売している。南江堂洋書部より購入可能であるが、価格が63,600円と割高である。いきなり購入はちょっとという人には、インターネットで各レビューの抄録までを見ることができるほか、抄録の日本語訳もJANCOCのホームページで見ることができる。コクランのインターネット関連のURLを以下に示す。
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7.参考文献 | |||||||||
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