Teikyo University Centre for Evidence-Based Medicine

 本共同研究の相手方機関はすでに本学が大学間協定を締結している英米の3大学であるが、直接研究に参加する研究者は、それぞれの大学の中で以下の部局に所属する。

 オクスフォード大学 Centre for Evidence-based Medicine

 David Sackett 教授が主催し、EBMの研究・教育の世界的なセンターとなっているが、同時に大学付属のJohn Radcliffe 病院でEBMの実践を行っている。同センターには多数の常勤・非常勤の研究員がいるが、そのうちのJA Muir Grey博士は、Oxfordに本部のある、Cochrane 共同計画の責任者でもある。Cochrane 共同計画は最新の無作為化比較試験の結果を集め批判的に検討・集約した上、3ヶ月ごとにCD-ROMやインターネットで配信するもので、担当医の経験や勘に頼った医療を脱却するための強力な武器となるものである。現在、世界的にその支部が広がりつつあり、わが国でも準備が進んでいる。

 ケンブリッジ大学 Institute of Public Health

 英国ではわが国の厚生省に当たる保健省が、臨床のみならず医療保健政策全体の基本にEBMを据えているが、R. Himsworth教授および同Instituteは政府の国民保健サービス(NHS)の研究開発部門にも属し、研究と実際の医療保健資源の配分決定に関与している。実務的にEBMの社会医学的側面を検討する上で、先進的な研究や経験の蓄積が極めて豊富である。また同所および臨床部門を兼務するKT. Khaw教授はWHOと共同で、脳血管障害や骨粗鬆症について多くの国が参加した疫学調査を行い、集団を基礎にした新しい予防医学の戦略を主張していることで、わが国でも知られている。

 ハーバード大学 Brigham & Women's Hospital (BWH), Massachusetts General Hospital (MGH), Harvard School of Public Health

 MGHのM. Barry博士は全米的なPatient Outcome Research Teamの主要メンバーの一人であり、前立腺疾患などを例に、(経験や機序から効くはずでなく)診療の結果から客観的に診療内容を評価するアウトカム研究で大きな成果をあげている。またBWHにはClinical Epidemiology Groupがあり、そこに所属するD. Bates博士は病院医療情報システムを用い、日常の多数の診療内容を評価するシステムを開発した。この両病院ともハーバード大学医学部関連病院として、臨床実践ならびに臨床研究のフロントとして機能している。またハーバード大医学部、同公衆衛生大学院のD. Christiani 教授は米国予防医学研究班に属し健診や、保健指導の有効性についての総合的評価をまとめ、発表している。J.Brain教授はTeikyo-Harvard ProgramのDirectorであり、共同研究の取りまとめを行う立場にある。

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