研究内容

基礎的研究


1.気管支喘息における気道過敏性の成因の解明ーマウス喘息モデルを中心として

 気道過敏性の成因として大気汚染物質の関与、サイトカインとしてGM-CSFの関与を明らかにして、報告している。

2.気管支喘息におけるアレルゲン特異的T細胞の役割

  減感作療法によって、ダニ抗原特異的なT細胞のサイトカイン産生パターンが転換でき、治療効果を発揮していることを明らかにし、報告している。さらにサイトカイン療法の可能性についても検討している。

3.ヒトIgE産生機構の解明

  試験管内でヒトIgE産生の機構について検討し、T細胞サブセットの制御機構について明らかにし、報告している。

4.好酸球のアポトーシス誘導機構の解明

 喘息患者では好酸球の寿命が延長し、アレルギー炎症の悪化に関与しているが、この好酸球にアポトーシスを誘導する機構について検討している。特に従来より使用されているテオフィリン薬がアポトーシス誘導作用があることを報告している。

5. 間質性肺炎の成因

 シリカによる間質性肺炎のマウスのモデルで、悪化因子および制御因子を検討している。特に抗サイトカイン療法の可能性についても明らかにし、報告している。

臨床研究


6.テオフィリン薬の抗アレルギー作用

 基礎実験で明らかになったテオフィリン薬の好酸球へのアポトーシス誘導作用および抗炎症作用が生体内で誘導されるかを検討し、通常の血中濃度で抗アレルギー作用を発揮することを明らかにし、報告している。


7.間質性肺炎の発症におけるウイルスの関与

 特発性間質性肺炎は、原因不明の疾患であるが、その発症にウイルス(EB、HCV)が関与している可能性について明らかにしている。今後さらに患者検体より分子生物学的手法を使用して直接証明を試みている。

8.喘息治療薬のガイドラインにそった再検討

 日本アレルギー学会は日本の実状にあったガイドラインを作成したが、このガイドラインには欧米諸国の作成したガイドラインと薬剤の使用法に多少相違点が存在する。そこで、この相違点について現在、当施設を含め数施設で再評価を行っている。

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