第26回癌免疫外科研究会開催にあたって
                                
          帝京大学医学部外科  冲永功太


  第26回癌免疫外科研究会を当教室主催にて開催させて頂く
ことになりました。伝統ある本研究会を当教室にてお世話させて
いただきますことは誠に光栄なことと、山岸教授はじめ諸先生方
に感謝申し上げます。


   近年、癌特異抗原の同定に伴い特異的免疫療法が盛んに施行さ
れてきましたが、
昨年Rosenbergの指摘のように癌ワクチン療法
は必ずしも当初期待されたような効果は得られていないのが現状
であり、
turning pointを迎えているように思われます。このよう
な時期に、現段階における到達点を明らかにしておく意義は大き
いものと考えます。


   主題は、前回からの継続の「免疫学的逃避機構からの回避」と
新規に「癌免疫療法の効果判定」と致しました。とくに化学療法
の効果判定と同じ
RECISTすべきなのか、あるいは免疫療法独自
の効果判定基準をもつべきかについては
議論のあるところかと存
じます。また、応募演題の中からシンポジウム、ワークショップ
を構成させて頂きます。特に癌免疫療法に適した効果判定に関
しましては、指定演題を含めたシンポジウムを組む予定です。
様の活発な討論を期待しておりますので宜しくお願い致します。

    特別講演には、海外から Dr. Engleman, Edgar G (Stanford
University School ofMedicine)
と Dr. Gong, Jianlin (Boston
University School of Medicine)
を、また国内からは珠玖洋教授
(
三重大学医学部第二内科)伊東恭悟教授 (久留米大学医学部
免疫学
)をお招きしております。免疫療法における新たな知見を
拝聴できることと存じます。


    現在 免疫療法に関しましては、決して順風とは言えない状況と
思われますが、免疫療法本来の特徴を活かした効果判定法を確立し、
本療法の位置付けおよび到達点を明らかにしていくことが、今後
の免疫療法の道を開くものと考えます。多数の先生方の御参加を
お待ち申し上げます。