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呼吸器系

喉頭

No. 105 ( 標本箱 B )

 ・前頭断(額面断)
 ・HE染色


《観察ポイント》

(1)標本を縦にして肉眼で上下2つの突起を確認する。喉頭腔のほぼ中央に前後に走る上下2枚のヒダ(左右1対ずつの一方)の断面である。上の低い方が前庭ヒダ(室ヒダ)、下の高い方が声帯ヒダ(声門ヒダ)である。喉頭腔がこの2枚のヒダによって3つの部分−前庭ヒダの上部の喉頭前庭、2枚のヒダの間の喉頭室、声帯ヒダ下部の声門下腔−に分けられることを確認する。さらに対称となるヒダを想定して、左右のヒダの間の細隙、前庭裂(前庭ヒダの間)と声門裂(声帯ヒダの遊離縁声帯唇の間)を確かめる。なお、発声装置である声門は声門裂と両側の声帯唇(または声帯ヒダ)を一緒にした呼称である。
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(2)低倍で上記の部域を確認しながら全体像を描き(1)の中のものも含めて下線の構造を指示する)。
   ・前庭ヒダ(室ヒダ)
     粘膜上皮: ふつう多列線毛上皮(気道粘膜の上皮)、但しこの標本は重層扁平上皮に近い。
     粘膜固有層: 弾性線維の多い結合組織、リンパ小節、リンパ球浸潤
        ヒダ中央部: 喉頭腺(混合腺)、脂肪細胞
   ・声帯ヒダ(声門ヒダ)
     粘膜上皮: 重層扁平上皮
     粘膜固有層: 弾性線維の多い結合組織
        声帯唇のすぐ内側: 声帯靭帯(弾性靱帯)の横断面、白っぽくみえる。
        ヒダの中央部(声帯靭帯のすぐ内側): 声帯筋(横紋筋)の横断面
        その他: 喉頭腺は声帯唇以外の部域に少数、脂肪細胞ほとんどなし。
   ・喉頭室
     粘膜上皮: 多列線毛上皮
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〈その他〉

・俗に声帯と呼ばれているところは声門、組織学で声帯は声帯唇のこと。
・声帯靭帯は硬く、標本作成時にとれやすい。空所になっていることがあるので注意。
・両ヒダの外側(標本手前)に甲状披裂筋の一部。下方(標本右方)に輪状軟骨。



喉頭larynx 喉頭室laryngeal ventricle 声門下腔infraglottic cavity 喉頭腔laryngeal cavity 前庭裂rima vestibuli 声門glottis 声門裂fissure of glottis, rima glottidis 喉頭腺laryngeal gland 声帯靭帯vocal ligament 前庭ヒダ(室ヒダ)vestibular fold (ventricular fold) 声帯ヒダvocal fold  喉頭前庭laryngeal vestibule 声帯筋vocal muscle 甲状披裂筋thyroarytenoid muscle  輪状軟骨cricoid cartilage


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