ネットワーク接続のトラブルに対する対処法



トラブルに対する自己診断

 ネットワーク機能は、ハードウェアからOS、アプリケーションまで、 多層にわたっているものなので、 トラブルが起こった場合どのレベルに原因があるのか 正確に確かめる必要があります。

 このトラブルの原因を追求する作業はある程度パターン化しているので、 ここにまとめておきました。

 研コン室へ問い合わせを行なう場合にも、 トラブルの状態を正確に掴んで報告していただかないと対処しかねますし、 あとあとトラブルが起こったときに御自分で対処できる場合も多いので、 以下のような自己診断チェックをおこなうようお願いします。

 なお、このページではトラブルの原因の発見方法のみを記しています。 具体的にどのような設定をするかについて、研コンのホームページ以下に いくつか関連のページが用意されていますので、そちらをご覧下さい。


まず確認しておくべき事項

 自己診断にさきだって、以下の点についてあらかじめ確認しておいて下さい。

 IPアドレスの割り当ては、 こちら のページの先にある一覧表が参考になると思います。


チェック1: ハードウェアの動作確認

 ハードウェア的な面で接続がうまくいかない場合もよくあります。 ネットワークカードやモデムが正しくインストールされていない場合は ともかく、ケーブルが正しくつながっていなかったというだけで、 何時間も苦労するのは無駄ですから、最初にチェックしておくべきです。

 具体的なチェック内容は LAN接続か PPP接続かによって異なります。 LAN接続の場合には チェック1.1を、 PPP接続の場合には チェック1.2を、 それぞれ参照して下さい。


チェック1.1: ネットワークカードの動作を確認する

解説

 ネットワークカードには(ノートパソコン用のPCMCIAカードを除き) ほとんどの場合カードの動作状態を示す LED(発光ダイオード) が付いています。カードの説明書などを見て、各LED の意味を確認してから、実際に見てみてください。 以下に各LEDの状態ごとに対処法を示しますが、お手持ちのカードに 必ずしもすべての種類の LED が付いているわけではないので、 注意して下さい。

対処

「動作中」を表す LED が点灯していない
 ネットワークカードが正常に動作していません。 カードのインストールがうまくいっていない可能性があります。 カードの説明書をよく見て、インストールしなおしてみて下さい。
 実際にあったトラブルとして、カードに2種類の差し込み口 (10base-5 と 10base-T)がついており、 カード上のジャンパを付けかえないと 10base-T が使えない、 というものもありました。うまくいってしまった場合はともかく、 うまくいかない場合はまず説明書はよく読みましょう。

「受信」を表す LED が点灯(点滅)していない
 ネットワークカードのところまで信号が届いていません。 ケーブルの断線、あるいはもっと上位のネットワーク装置の不具合の 可能性が考えられます。
 ケーブルがきちんとつながっているかどうか、 ケーブルを交換してみてもだめかどうか、 差し込み口を間違えていないかどうか、などをチェックした上で、 研コン室へ御連絡ください。

異常がなければ、チェック2へ移ります。

チェック1.2: モデムや電話回線の動作を確認する

解説

 モデムの動作確認は複雑で、一概にはいえないのですが、 注意点をいくつかあげておきます。

対処

電話回線がきちんと使えるかどうか
 モデムのかわりに電話機をつないでみて、 通常の電話として利用できるかどうか確認します。 断線などによって通話できない場合はもちろんですが、 極端にノイズが多かったり、 p特殊な構内回線などになっている場合にも、 正常にモデムが使えない可能性があります。

モデムをつないでみる
 つないでみて、正面のランプ等の表示が正しいかどうか 確認します。具体的にはモデムの説明書などを見て下さい。

モデムの設定を確認する
 モデムの内部の設定を確認し、 必要なら接続時にモデムに適切なコマンドを送ってやらねばなりません。 モデムによってコマンドが違ったり、ソフトによって設定の仕方が違うので、 一概にはいえませんが、次のような点に気をつけて下さい。

 異常がなければ、チェック2へ移ります。


チェック2: IPアドレスに対して ping をうってみる

解説

 ネットワークの接続状態を確認するための ping というプログラムを 使います。これは最小単位のパケットを送信し、戻ってくるかどうかを チェックするものです。

 具体的な ping の打ち方については こちら を御覧下さい。もし ping が用意できなければ、telnet でも構いません。

対処

192.168.1.1 へ ping をうってみる
202.253.111.1 へ ping をうってみる
 医学部の LAN に接続(LAN接続、PPP接続とも)している場合には、 両方成功する必要があります。もし外部のネットワーク (他大学・学部、企業、プロバイダなど)に接続している場合は、 後者だけできればOKです。
 うまくいっているなら、基本的なネットワークの接続はうまくいっています。 チェック3へ移って下さい。
 うまくいかない場合には、ネットワーク関係の設定で、自分のパソコンの IPアドレスやネットマスクが間違っていないか確認して下さい。 それでもだめなら、上位のネットワーク機器の不具合の可能性が高いです。 状況を研コン室へ御連絡下さい。

チェック3: ホスト名に対して ping をうってみる

解説

 基本的なネットワークの接続はできているにもかかわらず、 ネットワークがうまく利用できない原因は、 DNS(ネームサーバ) がうまく働いていない場合が多いです。

 ここでは、チェック2と同様の ping を、 ホスト名に対して行ないます。

対処

motegi.med.teikyo-u.ac.jp へ ping をうってみる
fuji.med.teikyo-u.ac.jp へ ping をうってみる
 チェック2同様、 外部からは後者だけで結構です。
 うまくいかない場合、まずネットワーク関係の設定で DNS (ネームサーバ) が正しく設定されているかどうか確認して下さい。ネームサーバは 192.168.1.1 にするのが正しいです。

チェック4: アプリケーションソフトの設定を確認する

解説

 チェック3までうまくいった場合、 ネットワーク接続自体は問題ないと思われます。それでもソフト (電子メールソフト、WWWブラウザなど)がうまく動かない場合は、 ソフトの設定が間違っている可能性が高いです。

 アプリケーションソフトの設定については、一概に説明できないので、 ここでは一般的な注意点だけ記しておきます。



補足事項

ping

 Windows 95 には ping のプログラムが付属しています。 スタートメニューの「ファイル名を指定して実行」で

ping (目的のアドレス)
を入力するか、MS-DOSプロンプトで上と同じコマンドを入力します。
例:
ping 202.253.111.1
ping fuji.med.teikyo-u.ac.jp

 Macintosh の場合は現在調査中です。

 蛇足ですが、 ping というのは、もともとは潜水艦が周囲の状態を知るために 探信音を発する(アクティブソナー)ことからきているらしいです。


DNS(ネームサーバ)

 Domain Name Service とは、ホスト名(fuji.med.teikyo-u.ac.jp など) を対応するIPアドレス(202.253.111.1 など)に変換するサービスで、 このサービスを提供するサーバを DNSサーバ、あるいはネームサーバと 呼びます。

 このアドレス解決(resolve)がうまくいかないと、一般にメールホストや WWWサーバを指定するのに使われるホスト名が使えません。

 現在、当医学部では、外部向けに 202.253.111.1 (fuji)、内部向けに 192.168.1.1 (motegi) を DNSサーバとして公開しています。


last modified: 12/22/97 ; 18:25:33 (JST)

ネットワークトラブルシューティング / 研コン室 / 月曜相談員 森川
< morikawa@med.teikyo-u.ac.jp >