アメリカ新生活(5):アトランタの気候・その3ー天気予報

8月に入ってアトランタは、日中こそ90°Fを越えますが朝晩は涼しくなりました。
ラボの友人(アメリカ人)は「8月が一年中で一番暑いよ」と言っていますが、
同級生のT君(メンフィス在住、日本人)の言葉を借りれば、
アメリカの8月は「夏の終わりの寂しさを感じさせる」季節のようです。
 
さてお天気のお話の最終回、
ここでは天気予報とアメリカのお天気についてお話したいと思います.
 
アメリカのテレビ番組は、大半の家庭ではケーブルネットワークを通して配信されます.
したがって放送されているチャンネル数はおよそ70−90ほどあり、
そのなかに、24時間天気予報だけを発信している、
いわゆる「the Weather Channel」があるのです.
 
勿論、ニュースを24時間発信している
CNN Headlineや、スポーツだけのESPN、ゴルフだけ24時間
なんていうthe Golf Channelもありますから、
24時間天気予報のチャンネルがあっても不思議ではありません.
ただアメリカの日常生活では、日本に比べてそれだけ天気予報が重要な情報のように感じられます.

なぜでしょうか?

アメリカの「大陸型気候」ってやつは何事にも大袈裟なんです。
こちらの雨は大抵「scattered shower」か「thunderstorm」です。
日本の様な「春雨じゃ、濡れていこう」といった情緒はありません。
アトランタでは雨が一日降り続くことはありませんが、
そのかわり、その雨たるやバケツをひっくり返したなんて程度ではないのです。
車を運転していて前が見えないような、
それこそ直径1cmもあるような雨粒がドッドッドッドッと撃ちつけてきます。
Thunderstormにいたっては、これにガラガラドシャンが加わります。
買い物ひとつでも郊外に車を走らせるアメリカでは、
したがって天気予報は生活により密着した情報となるのです。
 
もうひとつの名物はtornadoです。
 2月のとある日曜日、朝寝坊を楽しんだ後、ラボに行こうと起き上がった当方はテレビをつけました。
例のWinter Storm 2000で懲りてから天気予報を注意するようになったのです。
窓からは春らしい陽光が部屋いっぱいに差し込んできていました。
ところがアトランタのlocal weather forecast(アメリカ全土ではなく各地方の天気予報)では
「今日の午後はtornado」。
番組は突然tornado watchという特番に変わりました。

   

番組では、tornadoの予報だけではなく
「tornadoが来たら、家に逃げ込む、窓から離れる、バスルームはけっこう安全」
といった避難方法まで放送、伝授しているのです。
おいおいそれはないでしょ、外晴れてんのよ!?アトランタの町中に限っては関係ないな。
そう思ってテレビを消してラボに向かいました。

ところがどっこい夕方から夜にかけて、ものすごい嵐がエモリーの周りをも吹き荒れました。
おかげでしばらくラボの中に拘留されることとなりました。
嵐が落着いて帰宅したのは夜12時過ぎ。

翌朝のニュースでは、
アトランタ北西部郊外で tornadoにより吹き飛ばされた
キャンピングカーや跡形もなくなった家々の映像が放送されていました。
亡くなられた方もあったようです。
実際今年春先には、ダラスフォートワースの街中にtornadoがタッチダウンし、
高層ビルのガラス窓全面が割れて死傷者が出る、
といった事件もありました。

http://www.tornadoproject.com/recent/recentts.htm#top



映画ツイスターやOZの魔法使いの世界は絵空事ではなく身近なことなんだなと実感しました。
だいたい日本人からすると、
東京の新宿にtornadoがタッチダウンするなんて想像尽きませんものね。

   

2000.9