「帰国便り−米国見聞録」

「日本人がみたアメリカ。その2」

「30歳以上で独身だと・・?!」

もうすぐ日本でもアメリカでも
野球は開幕、サッカーは盛り上がっているし、今年はオリンピックもあり、
とわくわくドキドキの季節です 。
ちなみにのび太は、日本代表ジャージを着てU-23を応援していました。

さてさて、、、、
 アメリカは日本と比べれば早婚です 。
最近は日本と同じように男女の結婚年齢が高くなっているようですが
それでも日本と比べれば早婚ではないでしょうか。
それが宗教上の理由からか、それともアメリカの社会的な要因かはわかりません。
 たしかにアメリカでは子供が若くして社会に出ていくような仕組みになってます。
基本的には高校を卒業したら大人として扱われます
(そのくせお酒は21歳まで飲めませんが。
なんていってもお酒はアメリカでは悪者なんです。
これについてはまた、いずれ。)
したがってカレッジ、ユニバーシテイのいずれも、
子供たちは(親が保証人になって銀行からお金を借りるにしても)建前上は自分で学費を払い、
親から離れて住みます。
もちろん経済的効率から親と同居しながらカレッジに通う人もまれではありません。
またアメリカの高校の卒業式の際にはプロムという大きなパーテイがあります。


PROMのパーティー
その1


PROMのパーティー
その2


PROMの映画

いくつかのアメリカ青春映画でとりあげられているので御存知の方もいるかと思いますが、
これは大人の社会へのデビューの式典という意味合いもあります。
だから、男の子は気に入った女の子をエスコートして、
タキシードやイブニングドレスという背伸びした服装でそのパーテイに出席するのです。

さて話を戻しませう。
ある日同僚の間で、以前にラボで一緒に働いていた大学院生の話になりました。
かれは無事博士号をとり、医学部カリキュラムに戻り、
2002年の7月卒業してUCSF (University of California, San Francisco)の内科のレジデントになりました。
ボクはその時、彼が卒業したあとでどこのレジデントになるのか知りませんでした。
「J君はどこの医局にいったの?」と同僚達(アンデイとトム)に聞きました。

トム 「あいつなら、UCSFの感染症内科に行ったよ。」
ボク

「へえ。UCSFってイイ大学なの?」
トム 「ああ。なかなかいい医局なんじゃない。」
ボク 「でも、ここから大分遠いよね。J君って、田舎もフィラデルフィアじゃなかったっけ?」
アンデイ 「まあね。でも、ちょうどいいんだよ。
(ウインクしながら)あいつはウエストコーストには沢山友達がいるからね!(笑)」
ボク 「あ、そうなんだ。」
アンデイ 「ノゾム、冗談だよ。」
ボク 「え?!(のび太、意味解らず)」
アンデイ 「だってウエストコーストにはゲイがいっぱいいるだろ?!(笑)」
ボク 「ええ?!(のび太、さらに意味不明のうえ驚き!!)」

話を聞くと、同級生や大学院生の間では「Jはゲイだ」といううわさがあるそうです。
同僚は「半分冗談だ」と言っていましたが、
それは、日本人のボクに対する建前、ということはすぐわかりました
(だいたい、「半分冗談」ってえことは、完ぺきな冗談というわけではないんですよ、ほんとに!)
彼らはほとんど本気でJ君はゲイだと考えているのです。

理由は、

1) 30歳を越えても独身である
2) しかも年中体を鍛えていてexhibitionistだから、

ということでした。

そうなんです。
実はこの一例だけではないのですが、
アメリカでは(おそらく男の場合だけでしょうが)30歳越えても独身だと
ホモセクシュアルと認定されてしまうのです。

日本人の感覚からすると「そんなとんでもない!」となりますが、
アメリカ人にとってはシャレではないんですね。
こんな、「シロでなかったらクロ」というステレオタイプな短絡的思考パターンは、
大なり小なり形をかえてアメリカ生活のなかで出てきます。

2004.03