白 色 瞳 孔 |
白色瞳孔 leukocoria は眼内(水晶体後方〜硝子体内あるいは網膜)の混濁組織のため,照明の具合で反射し瞳孔内が赤白く光るもので,別名は「黒内障性猫眼 amaurotic cat's eye ∕ amaurotisches Katzenauge」である.
定義は透明な水晶体を通して見た現象であり,「白内障」は鑑別に登場 ? こそすれ,白色瞳孔のカテゴリーではない.
しかしながら,leukocoria = white pupil という英語圏では白内障を加えた記述がされていることが多いので 注意.
“white reflex”との表現もあり,これなら原義が伝わりますね.
水晶体に混濁があれば瞳孔は確かに白いが,光る反射は返ってこないハズで,ネコメも起きない.黒内障の形容にも反する,ということで念のため ‥…
白色瞳孔を示す代表疾患は次のようである.
網膜芽細胞腫 | 66 % |
第一次硝子体過形成遺残 | 17 % |
Coats病 | 9 % |
未熟児網膜症 | 2 % |
トキソカリア症 | ・・ |
網膜剝離 | ・・ |
尚, white = ギリシャ語 leukós (λευκός),pupil = ギリシャ語 kóre (κόρη),ということで,また各言語のアルファベットにより leuko
ここで形容されている cat's eyeキャッツアイ は,縦長瞳孔のことでもない.念には念を ?
そうすると,漢字はどう読むのか,
)網膜芽細胞腫 retinoblastoma ➽
)第一次硝子体過形成遺残 persistent hyperplastic primary vitreous (PHPV) ➽
)Coats病(滲出性網膜炎 retinitis exsudativa) ➽
)未熟児網膜症 retinopathy of prematurity ➽
)寄生虫肉芽腫症 : 犬蛔虫(トキソカラ)症 toxocariasis など ➽
)網膜剝離 retinal detachment ➽
読み方 Coats ⇒ こーつ
参照 ⇔ エッセンシャル眼科学 第8版
320ページ:網膜剝離,続発性網膜剝離,Coats病
324ページ:網膜芽細胞腫,白色瞳孔
326ページ:未熟児網膜症
331ページ:第1次硝子体過形成遺残
332ページ:Coats病
since 2006