10:膵がんの治療の現状(主に、通常型膵癌を主体に)とわれわれの成績


癌の中で,膵癌は急激な増加を示し、現在,癌のなかでは5位を占めております。年齢が50代、60代、70代、80代と年をとるにつれて増加率が高くなっています.膵癌の大きな問題は、治りにくく生存率が低いことです。原因の多くの発見された時点で、進行がつよく周囲の主要血管や神経に浸潤したり広範囲リンパ節転移や肝転移を起こしていることが多いからです。

膵臓癌のなかで,一般に遭遇する通常型膵がんは予後の悪く,病理学的には管状腺癌が主体です.この癌腫では、全国アンケートでは切除後の5年生存率は極めて悪く、数%(直接法による5年生存率は2%)という状況です。

われわれの施設での膵癌に対する外科手術後の成績は、全般でみますと切除後の5年生存率は23.9%です。

さらに,治癒切除(Cur A)と判断された症例では、5年生存率は 52.9%とまず納得できるものでありました。


今後さらに膵癌の早期発見がなされ、積極的手術や新しい治療法との組み合わせでさらに良い予後を生みだすだろうと推測されます。


本ホームページ http://www.med.teikyo-u.ac.jp./~takada/index.htmlに関するお問い合わせは

高田忠敬 (E-mail:takada@med.teikyo-u.ac.jp)までお願いいたします。


back