3:膵臓の位置と解剖学的事項


(1 )膵臓はどこにあるのか?

  胃の後ろで、みぞおちから左上腹部にかけて走行しています.
  膵臓は、膵頭部、膵体部、膵尾側に分けられます。膵頭部では十二指腸に
  接し、膵尾部では脾臓に接し、その中間に膵体部があります。なお、膵頭
  の下部に鈎状突起という部があります。この部の癌は主膵管や胆管と離れ
  ているため早期症状がでずらく進行しまうことが多い.周囲に上腸間膜動
  脈や上腸間膜静脈がありますのでそれらに浸潤し、進行癌になってしまう
  ことが多いので、特に、注意して早期発見につとめなければなりません。

(2) 膵管と胆管について、

  膵臓の働きに酵素(消化酵素)を分泌することがあげられます。膵酵素は、
  膵管という導管を介して十二指腸乳頭部に排泄されます。膵管が腫瘍など
  で狭窄や閉塞されると痛みが生じ、また、膵炎様の症状(腹痛や血清アミ
  ラーゼ上昇など)を呈することが見られます。腹痛だけでなく消化酵素が
  でないために体重減少、全身倦怠感などがみられることもあります。
  膵管が十二指腸乳頭部に注ぐ部位に胆汁の導管である胆管が合流しますの
  で,膵臓癌でも胆管を圧迫や閉塞して黄疽をきたすことがあるわけです。

(下の図は、胃を除去して膵臓の位置を分かりやすくしたものです)



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高田忠敬 (E-mail:takada@med.teikyo-u.ac.jp)までお願いいたします。


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