教授 高田忠敬 質問コーナー

皆様からのご質問に高田忠敬がお答え致します。

2004年

 

質問メール

 

はじめまして。膵臓尾部癌のことで質問させてください。

(53)が二ヶ月前すい臓癌の疑いがあると診断されました。

約3年前から背中が少し痛むといいだしそれ以外は顔色も便通もよく、体重減少もありません。

腫瘍は5cmほどで腫瘍マーカーDUPAN-2は8200と高値でした。ERCP、CTの結果膵尾部がはれていて腫瘍のようなものがみられるがとても不思議な形でそれが悪性だか診断が難しいとの事です。膵管造影では癌細胞が発見されませんでした。

血管造影では膵尾部に嚢胞症のようなものとその横に硬い腫瘍みたいなのがみられるそうです。その結果良性の疑いも高いとのことです。

大学病院でのファーストオピニオンのあとセカンドオピニオンを頂いた病院ではとても珍しい腫瘍の形でなんともいえないが個人的意見として悪性のように思えると言われました。

でもわからないので是非サードオピニオンも、もらってほしいとのこでした。試験開腹をしようと思っているのですがそれでも診断に窮するとのことです。これではどこの病院にいっても同じでしょうか?

HPを拝見させて頂いてぜひサードオピニオンを聞きに高田先生の所へお伺いしたいと思っているのですが。

また肝臓転移がみられる場合超音波で点のように映るのでしょうか?ご回答待っています。

 

高田忠敬からの返信

 

肝臓の転移がなければ予後はのぞめると思います。

ただし、血管などに浸潤しているような場合は、大きな手術をしなければ根治的には摘除できません。

CTで5cmもあって不思議な形などといっていること事態が不思議です。膵臓の専門の病院で手術をすべきでしょう。

腫瘍マーカーが異常にたかく膵臓に5cm大の腫瘍があれば通常悪性腫瘍を疑います。

できれば火曜日がわたくしの診察日ですのでいらっしゃれば写真を見て、さらに精密なCT検査を行って診断いたします。

 

 

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質問メール

 

ホームページを拝見致しました。

お手数を省くべく、恐縮に存じますが用件のみを列記させていただきます。ご返信頂ければ幸甚に存じます。

私こと・・男・・64歳

年間2回 大学病院の定期検診を受けております。

平成16年2月26日 下記診断結果が出ました。

※腹部超音波検査の結果 「膵管拡張」 により 、4月5日に再検致します。※

上記の返答について、教示を願い申し上げます。

1. 癌の疾患については、全て早期に処置するようにと聞き及んで  
おりますが、40日間もの空白を空けるものでしょうか?

2. 「膵管拡張」と診断されている場合、結果として膵臓癌を患っている比率は如何なものでしょうか?

ご返答頂くのに困惑を招くような、我儘な問い合わせをご容赦下さい。

 

高田忠敬からの返信

 

問題を整理しますと、

1:膵管が拡張がある

2:40日もおいていてだいじょうぶか?すなわち、悪性の可能性はないのか?

多分超音波で検査したのだとおもいますが、結果として3点あると思います。

(1)膵管の出口近くに悪性とおもわれるような腫瘍があって結
   果的に鼻側の膵管が拡張している。

(2)慢性膵炎でも同様な事象がおこることがある。

(3)粘液産生膵腫瘍(IPMT 膵管内粘液乳頭腫瘍によるもの)
   も考えられる。いずれにせよ、悪性かどうかが一番問題で
   す。年齢的にも考慮したほうがいいと思います。

こちらにこられたら、ただし火曜日の午前中、診察し、続いて精密なCTをとってすぐ診断ができます。

 

 

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質問メール

 

初めまして。私の学校では今人の仕組みについて調べています。そのなかに、すい臓という臓器について調べているんですがどうしてすい臓と言うんですか?

すい臓の名前の由来を教えて下さい。

あと、すい臓の働きもできるだけわかりやすく教えて下さい。お返事お待ちしております。できれば明日までに返事をいただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

 

返信From高田忠敬

 

大変重要で難しい問題です。

私が知っている限りの事を記載いたします。

身体の重要な臓器を表現する言葉として従来から東洋医学(漢方)では、五臓六腑といいまして、肝、心、脾、肺、腎の5つの内臓と大腸、小腸、胆、胃、膀胱、三焦の臓器からなると言われてきました。

膵臓につきましては、漢方医学には記載がありません。

これについきましては、1805年日本の蘭学医、宇田川玄真の医範提綱の中で初めて使われています。

膵臓はPancreasといいます。pan=all, creas=fleshの合成で、骨のない肉の固まりであるとして月(にくづき)と萃(あつまる)、すべてを合成して膵が生まれたと言われております。

 

 

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質問メール

 

このような事をメールでお聞きするのは、大変失礼な事と思いますが,是非先生のご意見を聞かせて頂きたく、メールしました。53歳の父が、先日膵臓癌と診断されました。CT上、門脈付近に腫瘍があり、OP出来るかは五分五分、もしくはそれ以下かもしれない、いずれにせよMRIと血管造影をしないと治療方針が決まらないと言われました。その検査が早くて今月中には出来るが、 現在のところ検査日が決まっていません。

父には告知しており、治療に対し前向きな姿が見られているので、家族としてもできることはしたいと思っています。それで、セカンドオピニオンとして貴院を希望しているのですが、現在の病院で検査を受けてから受診したらいいのか、それとも現時点で受診したらいいのか悩んでいます。御意見を聞かせて頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

現在の父の状態は、自覚症状はありません。また、胃カメラの結果は問題なく、CT上転移もみられていません。              

 

返信From高田忠敬

 

CT写真があるのならできるだけ早期に受診してください。それをみてから私の見解をお話します。

 

 

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質問メール

 

高田先生

膵臓がんが肝臓に転移すると、もはや切除は無理なんでしょうか?

私の父は(65歳)、膵臓の尾部にできたがんが肝臓に複数転移してしまいました。

判明したのは先月26日。今月5日に入院し6日にジェムザールという抗がん剤を投与しました。

さまざまな療法がありますが何をどのようにしてよいかまったくわかりません。

難病でも私は絶対諦めたくありません!

お願いします、何か良いアドバイスをお聞かせください。

宜しくお願い致します。 

 

返信From高田忠敬

 

肝臓に転移した膵臓癌はなかなか厄介です。

いちど診察してから相談したいとおもいますが、選択枝として、1:このままのGemzar, 2:尾側の癌は切除し、術中に門脈からGemzar を投与して、その後、静脈からGemzarを投与する。3:尾側の癌は切除し、術中ならびに術後に肝臓転移をターゲットにして、門脈、動脈カテーテールを用いてGemzarの投与を定期的に行う。

私どもでは、これらを患者さまの状態にあわせおこなっていますが、まだ、はっきりとしたデータはでていません。

 

 

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質問メール

 

はじめまして。

いきなりのメール失礼いたします。

現在、肝内胆管癌の疑いにより肝臓切除手術を勧められていますが、自分では、判断できずご相談させていただきたくメールいたしました。5年ぶりに受診した今年10月の人間ドックの超音波検査にて、左肝内胆管拡張が発覚し、その後、下記の精密検査を受けました。しかしその結果、原因不明で、癌だという確証も得られませんでした。

しかし、肝内胆管拡張では、8〜9割方癌の可能性が高いといわれ、現段階であれば、癌であっても、転移等なく手術が可能であるという理由で胆管および肝臓の4割弱の切除手術を勧められました。

決断するのはご自分ですがといわれたのですが、私自身まったく自覚症状のない状態で、すぐに返事はできず、手術は保留にし一旦退院しております。ただ、癌であった場合のことを考えるとゆっくりもしていられない状況でもあります。

肝臓切除後の生活や、癌の確率等いろいろ考えますが、素人の自分では判断がつきかねる問題であり、もしよろしければ、こういったケースについての、先生のご意見等いただければ幸いです。

お忙しいことと存じますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

年齢35歳 性別 男 病歴 30歳の時の人間ドックにて、胃潰瘍、十二指腸潰瘍。ピロリ菌除去後、痛みなし。また、その際の超音波検査では、肝内胆管拡張の症状はなし。

その他、病歴は特になし。現在黄疸、発熱等の自覚症状もなし。

今回の検査内容 血液検査(問題なし)、CT、ERCP、超音波、MRI(どの検査も造影剤等使用していました)ERCP時採取した細胞の5段階でレベル2だということでした。

 

返信From高田忠敬

 

胆管拡張にはいろいろの原因があります。できれば検査、CTや胆管の造営写真などがあれば宅急便あるいはe-mail添付で送っていただければ詳しくお話できると思います。

 

 

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質問メール

 

父が糖尿病で壊疽になり足を切断して死去してから心配になり私も以前から糖尿と言われていたので友人の紹介で血液検査と検尿を5年前から毎月してもらっております。しかしグリコヘモが6.6から6.9までなので心配いらないと解釈して日常の食事をして おりました。甲状腺にポリーフがあると聞き検査してもらったら陰性でした。徐々に甘いものは控えておりましたが体重は82キロと減らず毎回心配になり食事の方法も考えましたが油と調味料が多いことがわかって食養生しております。前置きは長くなりましたが2月前からの血液検査でアミラーゼの数値が254で今月が158です。主治医は心配はないと言ってくれますが膵臓癌の恐れがあることを知り今回の記事を見てどうしたらよいか心配になりメールさせていただきました。糖尿病と言われながらもいいかげんにして膵臓をインスリン製造で酷使してすい臓がんになっているのではと心配しております。今後の方法どのようにしたらいいのか教えていたきたく存じます。 64歳男性 174センチ82キロ 病歴は糖尿病と言われたほかはありません。

 

返信From高田忠敬

 

念のため造影CTをとられたらいかがでしょうか?

糖尿病は膵臓癌のリスクファクターの大きなひとつです。

その後についてはまた相談にのります。

 

 

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質問メール

 

突然のメールで失礼いたします。今年72歳になります父の膵臓癌の治療についてお伺いしたくメールいたしました。

父は今年の1月に膵臓癌と診断されました。

そのときのステージは4、肝臓に転移が見られるとのことでした。また、胃への浸潤と肝臓の動脈を癌が巻き込んでいるために、手術は不可能という診断でした。

そのため、現在までCTや腫瘍マーカーで経過を観察しながら、ジェムザール1000mgを2週間に1度の割合で投与する治療を続けています。

現在の状況は、腫瘍マーカーが1000前後、腹水は膵臓の周囲に見られる、とのことです。肝臓や腎臓など他臓器についてはほったらかしの状態で、検査もされていません。

父本人は、膵臓癌を縮小させて切除できるものなら、切除したいという意志があるのですが、現在診療に当たってくださっている先生は「ジェムザール以外の治療はない。このまま続けるしかないでしょう。

あとは(その日が来るまで)好きなものを食べ、好きなことをして過ごしてください。」とのことで、何の提案もして頂けない状況です。

父がすべてを諦めているなら、この先生の言われるようにするのもいいのかもしれませんが、父に積極的な治療の意志があるにも関わらず、そのような選択肢を強いるのは、家族としても、もちろん本人にとっても残念で悔しくてなりません。そこで、他の治療法はないものかと探していたところ、先生のホームページを拝見した次第です。

先生の重粒子線治療で父の膵臓癌を少しでも縮小させられるのなら、治療を受けさせてやりたい、そしてもし、縮小して切除可能になったなら父の意志どおりにしてやりたいと考えております。父のように肝臓に転移しているケースでも、先生の治療を受けることはできるでしょうか?もし、可能ならば父のCTを持参し、ご相談に伺いたいと思います。

お忙しいところ、心より申し訳なく存じますが、お返事をいただければと思います。何卒、よろしくお願いいたします。

 

返信From高田忠敬

 

重粒子治療は肝臓に転移がある場合は行えません。

逆に悪化してしまう事が多いからです。

 

 

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質問メール

 

インターネットで拝見し、ご意見を伺えればとメールしております。

58歳の母が胆のう結石の術前検査で粘液産生膵腫瘍の疑いがあると診断されました。膵腫瘍の場合早期手術が必要であり「経過観察で良い」とは言い難いということで、膵頭十二指腸切除と胆のう、胆管切除手術を受けました。しかし、膵空腸吻合部位に縫合不全をおこし再手術を受けました。その後の経過も良くありません。

膵頭十二指腸切除手術は技術的には難しいものなのでしょうか?それとも一般的な手術で外科医であれば誰でも行っている手術なのでしょうか?ご意見お願いします。

 

返信From高田忠敬

 

膵頭十二指腸切除は簡単なものではありません。

アメリカでは年間30例以上の経験がある施設で行うことが大切といわれております。日本では最近、年間10例以上経験がある施設で行うべきともいわれております。

 

 

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質問メール

 

初めまして!実は私の父が先日すい臓癌と診断されました。

肝臓にも転移が見られるとの事で手術も無理との事でした。余命は3ヶ月。その他でも治療方法もまったく無いそうです。父は現在55歳です。抗がん剤の治療を行っても延命が期待できないそうで、このまま父が死んでゆくのを指をくわえて見てるしかないのでしょうか?他に方法は無いのでしょうか?

すい臓の癌が胆管にに詰まって胆汁が流れない状態です。

 

返信From高田忠敬

 

肝臓転移がある膵臓癌はなかなかやっかいなものですが、最近の私の経験では、いろいろな治療をほどこし1年以上の生存例や海外旅行をする患者さんなどがたくさん現れております。治りはしませんが、決して悲観することはありません。

要は、治療を行う医師と連携プレーをうまくやることであり、癌と共存することです。

まず、第一は黄疸をとることです。黄疸は寿命を短くさせます。わたくしどものところでは、内視鏡、あるいは経皮的にドレナージをしてからステントをいれて治療をいたします。

第二は、化学療法です。これも匙加減で、うまくやることが大切です。

第三は栄養です。第四は精神的バックアップです。

私の外来は火曜日の午前中です。

 

 

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