亜急性甲状腺炎

どんな病気:
亜急性甲状腺炎は甲状腺が腫れて痛くなる病気です。女性に圧倒的に多く,中年の女性にかかりやすいです。ウィルスが原因とも言われていますがよく分かっていません。

症状:
最初にかぜ様の症状があり,それから甲状腺が腫れその部位を押すとかなり痛みます。痛みのあるところはしこりとして触れることが多く,2日ぐらいするとその痛みのあるしこりが甲状腺のほかの場所に移ることがあります。発熱などもあり,炎症により甲状腺組織が破壊されるため、甲状腺ホルモンが血液中に流れ,動悸,暑がり,体重減少.易疲労感などの甲状腺機能亢進症状を呈することもあります。

検査と診断:
血沈は非常に亢進し,甲状腺ホルモンは高値を示しますが、甲状腺自己抗体は出現しません.また、放射性ヨード検査では甲状腺の破壊のため,甲状腺にヨードは取り込まれません。

治療と予後:
副腎皮質ホルモン(ステロイド)を内服すると、3日程度で劇的に効きます。副腎皮質ホルモンは薬の性格上,しばらく飲み続ける必要があります.抗生物質,バセドウ病の薬は効きません。自然に治ることもあります。まれに再発する場合がありますが,心配は要りません。食べ物などで注意することはなく,普段の生活をして良いです。