第12回 日本内分泌外科学会総会 
2000年6月27日(火)・28日(水)
会長 高見 博

 最近、家族性腫瘍は学問的にも注目され、本邦におきましても日本医学会総会、日本癌学会総会、日本癌治療学会総会などを始め、各種の専門学会でもとりあげられてきております。また、社会面でも家族性腫瘍の患者さんやそのご家族に対して遺伝子診断をはじめ、数々の対応が検討されております。

 1日目のシンポジウム「家族性腫瘍の診断・治療の現状と将来の問題点」では各臓器の第一人者の方々に20世紀の総決算と21世紀への展望を、パネルディスカッション「家族性腫瘍のがん予防の最前線」では化学予防、予防的手術というまさに最前線のことについて話していただきました。また、2日目の市民公開討論会では医療に関係する幅広い分野の方々にお越しいただき、家族性腫瘍の臨床を行う上での倫理的・社会的問題点の解決に向かって討論会をお願いいたしました。多くの一般市民にも参加いただき、非常に有意義なものとなりました。ご参加いただいた一般の方には厚く御礼申し上げます。

 幸いなことに、今回105題というかつてないほどの多くの演題と450名の参加をいただきました。これも、この方面の研究・臨床に関心が持たれてきたためだと思います。今回の研究会テーマであります{家族性腫瘍の医療、いまが夜明け。21世紀にはどうなるのか}を鑑み、新たな展開を切に望みます。