診療の大まかな順序です。悩むことはありませんので、ご安心下さい。

  ここでいう副甲状腺の病気とは長期透析患者様に特有の「腎性副甲状腺機能亢進症」のことで、内科的治療で効果がえられない場合には手術をした方がよいと思います。手術以外にも、超音波下にPEIT(経皮的エタノール局所注入療法)などがありますが、私たちは重篤な心血管系などの症状がある特殊な患者様以外には手術を推奨いたします。その理由として、当内分泌外科で開発してきました「低侵襲性手術」の手術後の治療成績がきわめて優れており、かつ手術後の痛み、違和感なども少なく、入院期間・仕事や家事を休む期間なども短く、患者様に十分満足していただけるものだからです。

  この病気はきちんとした治療をしないと高カルシウム血症が進行し、腎性骨異栄養症(線維性骨炎・骨軟化症・骨粗鬆症・骨硬化症)になり、骨・関節痛や骨折で歩けなくなったり、血管石灰化で動脈硬化、心筋梗塞などの心血管系の重篤な症状をひきおこします。
手術することにより、これらの生命に関する危険は減少し、患者様のQOL(生活の質)が高まります。

 患者様にとって幸いなことに当院の内分泌外科は副甲状腺の診断と治療は日本、世界でも屈指の施設であると評価されており、私達も技術の開発、向上を目指して切磋琢磨の努力をしております。

 

 

信頼関係
 医師と患者様との信頼関係はすべてにおいて 最も大切です。私達は特にこのことに気を配り、お互いに 深く信頼できるよう日常の業務を行っています。


血液検査
 副甲状腺の病気は採血で、病気の程度は大体分かります。

 


超音波検査(エコー)
超音波検査〔エコー〕は全く痛くなく,短時間で,放射線も浴びることのない素晴らしい検査法です。超音波検査で腫れている副甲状腺を見つけ出すことができます。
腫れている副甲状腺腫が確認できます。
(全て同一患者さんです)

右下の副甲状腺腫

左上の副甲状腺腫
同じ腺腫を「カラードップラー」で示します。
赤が副甲状腺腫に入る動脈、青が出て行く静脈です。

右下の副甲状腺腫

左上の副甲状腺腫


シンチグラム
シンチグラム(MIBI-99mTcサブトラクション シンチグラム)で腫れている副甲状腺を見つけることもできます。矢印が腫大している副甲状腺腫。

 


副甲状腺CT検査
腫れている副甲状腺を確認するために行います。

左上の副甲状腺腫

左下、右上、右下の副甲状腺腫

 

骨密度検査
この検査で透析による線維性骨炎の進行度(骨病変の進行度)を
検査することができます。短時間の検査です。
これらの検査は全く痛みなどはともないません。

 

このように適切な医療をお受けになれば体の調子も良い方向に向かい。安心して普段の生活が楽しめます。
正しい知識を持って、よく理解して
安心して手術を受けましょう。

 

アポロ12号(1969年7月)から月と地球を見た珍しい写真です。物理学に立脚した工学の成果です。医療では機械でなく人間を扱うのでさらに複雑で,科学的根拠に基づいた芸術性、人間性、経済性などのある診療が求められます。