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フォーラム1  5月 13日 17:00〜18:00(第2会場)
【 司会 】 前川和彦  (東京大学救急医学)

演題番号:F1 熱傷における非熱傷皮膚からのインターロイキン6産生の機序 ― カテコールアミンの役割 ―
川上 正人、寺井 親則、岡田 芳明
防衛医科大学校病院救急部
コメンテーター 野口 宏  (愛知医科大学救命救急センター)
【目的】 我々は、熱傷早期に非熱傷皮膚からのインターロイキン6(IL-6)産生が亢進することを報告したが、その機序は十分には解明出来ていない。IL-6産生亢進が受傷早期に認められることから、神経内分泌系の関与が疑われる。そこで、カテコ―ルアミンの非熱傷皮膚におけるIL-6産生に及ぼす影響について検討した。

【方法】 雌性C57BL/6マウスを熱傷群と対照群に分け、両群をペントバルビタール麻酔後、熱傷群にのみ背部に体表面積の20%に相当するIII度熱傷を作成した。処置30分後に採血と腹部皮膚を採取し、以下の実験を行った。(1)血中カテコールアミン濃度を測定した。(2)対照群の腹部皮膚をエピネフリン(EP)あるいはノルエピネフリン(NE)添加培養液中で7時間培養し、培養液中のIL-6濃度を測定した。(3)熱傷群の腹部非熱傷皮膚をα-blocker (phentolamine mesylate)あるいはβblocker(propranolol hydrochloride)添加培養液中で7時間培養し、培養液中のIL-6濃度を測定した。結果はANOVAを用いて統計処理した。

【結果】 結果は平均値±標準誤差で表した。

【結論】 熱傷における非熱傷皮膚からのIL-6産生亢進に、エピネフリンやノルエピネフリンが関与している可能性が認められた。また、この作用はα-レセプターを介していることが示唆された。
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