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フォーラム1  5月 13日 17:00〜18:00(第2会場)
【 司会 】 前川和彦  (東京大学救急医学)

演題番号:F2 熱傷後の IL-6 治療が末梢白血球数と食細胞増殖能に及ぼす影響
小池 薫、山本 保博、Peterson VM*
日本医科大学救急医学教室、 コロラド大学外科学教室(アメリカ)*
コメンテーター 篠沢 洋太郎  (慶應義塾大学救急部)
【目的】 好中球は、熱傷後の感染防御に必須である。マウスに体表面積の20%に相当する全層熱傷をおこすと、末梢白血球数が上昇し、骨髄・脾臓中の食細胞幹細胞数も増加する。今回我々は、熱傷後にIL-6投与を行なうとどのような影響が及ぶかを検討した。

【方法】 CF-1雌マウスの背部を剃毛し、全身麻酔後、同部を7秒間水蒸気に暴露し、体表面積の20%に相当するIII度熱傷を誘発した。熱傷後翌日から6日間、IL-6 を 20μg/kg 腹腔内に投与し、熱傷後 7、14日目に骨髄・脾細胞を分離し、M-CSFを用いて7日間培養した。食細胞の幹細胞数は、培養されたコロニー数から計算した。

【結果】 IL-6 治療を行うと、熱傷後 7、14日目の末梢白血球数は減少したが、食細胞幹細胞数は変化しなかった。

正常値7日目14日目
末梢白血球数2100±200/mm3
Burn3000±1003300±400
Burn+IL-62200±200*2000±200*
骨髄食細胞幹細胞数8600±600/tibia
Burn14900±120012300±3200
Burn+IL-613200±70010900±3000
脾食細胞幹細胞数1500±300/spleen
Burn6400±19006500±2500
Burn+IL-610100±40006500±1400
* p<0.05, compared to the Burn group.

【結論】 熱傷後のIL-6 治療は末梢白血球数を減少し、抗炎症作用を示した。

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