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一般演題:[病態生理]   5月 13日 09:00〜09:50(第1会場)
【 座長 】 島津 岳士  (大阪大学救急医学)

演題番号:A002 真皮内膠原線維の熱傷による形態学的変化
清水 彰一郎、櫻井 勝、田中 秀治、行岡 哲男、島崎 修次、秋元 義弘*、平野 寛*、福田 稔**
杏林大学救急医学、同解剖学第2講座*、同電子顕微鏡室**
【目的】 Reed,Lundらは熱傷直後に組織間質圧が急激に低下し-50mmHg にもなることを報告し、これが熱傷超早期の浮腫作成の大きな要素として考えられている。昨年、我々はこの組織間質圧の低下が熱傷深度(SDB、DB)によって異なることを報告した(第25回日本救急医学会総会)が未だその原因は明らかにされていない。しかし真皮層にある物質が熱によって変成し陰圧を生じていることが推測される。今回、我々はこの熱傷後の組織間質圧低下とSDB、DB熱傷を組織学的に検討したので報告する。

【方法】 Wister 系ラットにWalker法でTBSA20%の熱傷を作成し,Sham群、SDB群、DB群の3群を作成した。それぞれ、受傷部の皮膚を光学顕微鏡(染色法:H.E,Azan,M.Goldner)、電子顕微鏡で観察した。

【結果】 光学顕微鏡ではSham群、SDB群に比べDB群では膠原線維が不均一に膨張していた。電子顕微鏡的には膠原線維のねじれがなくなり直線的に伸長し間質空間が膨張している像が得られた。

【結論】 熱傷では特に真皮内膠原線維が構造的変化をきたしていることが判明した。これが組織間質圧を低下させる一因であると推測される。

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