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一般演題:[スキンバンク]   5月 13日 09:00〜09:40(第2会場)
【 座長 】 青山 久  (愛知医科大学形成外科)

演題番号:A011 東京スキンバンクネットワークヘの加入と当院スキンバンクの活動状況
齋藤 大蔵、清住 哲郎、伊藤 敏孝、石原 諭、川上 正人、寺井 親則、岡田 芳明、田中 秀治*、和田 貴子*、川井 真*、勝見 敦* 、島崎 修次*
防衛医科大学校病院救急部、東京スキンバンクネットワーク事務局*
【目的】 東京スキンバンクネットワーク(TSBN)に加入した当院スキンバンクの活動状況を示す。

【方法】 1994年3月1日に設立されたTSBNは順調に発展しており、当施設は1997年2月1日にその15番目の施設として参加した。当施設は東京近郊とはいえ埼玉県所沢市に位置する。加入を認めたTSBN先達諸施設に応えるために、当施設は1年間にわたって精力的な活動を展開し、TSBN事務局の指導のもとに院内スキンバンクを確立した。すなわち、当施設内で死亡し、皮膚の摘出を承諾頂いた患者から、TSBNマニュアルにしたがって採皮、凍結、保存、供給の一連の作業を活発に行うことによって、院内の重症熱傷患者に対する同種凍結皮膚移植を、いつでも施行できる体制を整えた。

【結果】 1998年1月現在で、約1年間のドナー数は10例で、採取した皮膚総数は187枚であった。同種凍結皮膚移植は、2症例に対し計5回実施した。5回の手術のうち2回は、TSBN事務局からの皮膚計30枚を使用して施行し、残りの3回は計27枚の皮膚を院内スキンバンクから供給して実施した。また事務局の指示により、他院(3施設)での手術に計4回、皮膚48枚を供給した。当施設内で採皮したドナー10症例のうち9例が、来院時心肺機能停止患者であり、7例が夜間、早朝もしくは休日に採皮したものであった。

【結論】 同種凍結皮膚移植を円滑に施行していくためには、十分な量の皮膚保存が必要である。貴重なドナー確保のためには積極的な活動が不可欠であり、TSBNの一員として施設間相互扶助のために精力的に活動していきたい。

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