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一般演題:[感染]   5月 13日 16:00〜17:00(第2会場)
【 座長 】 吉田 哲憲  (市立札幌病院形成外科)

演題番号:A039 熱傷SIRSにおけるsepsis診断のための臨床的パラメーター
井上 健、岡林 清司、山野上 敬夫、世良 昭彦、和田 誠之、右田 圭介、内海 兆郎、岩崎 泰昌、角舎 学行、福原 信一、江口 昌代、大谷 美奈子
広島大学医学部附属病院救急部・集中治療部
【目的】 重傷熱傷患者においてsepsisは、感染期予後を決定する重要な因子である。重傷熱傷患者はすでにSIRSの状態にあり、SIRSの基準は、sepsisの診断には有用ではない。一般に臨床で用いられているパラメーターを用いて、sepsis早期診断の可能性について検討した。

【方法】 重傷熱傷患者のうち、20日以上生存したのち重症sepsisにて死亡した症例5例、ほぼ同等の熱傷面積で生存した症例5例を対象とし、バイタルサイン、血小板値、凝固系、窒素平衡、CRP、P/F比、血清乳酸値の変動をretrospectiveに比較検討した。

【結果】 1.両群とも心拍数90/分以上、体温38℃前後で経過した。2.血小板値・凝固機能からは、死亡群が経過中にsepsisに陥ったことを示唆する所見は得られなかった。3.窒素平衡値からは、生存群、死亡群を分ける所見は認められなかった。4.P/F比、CRP、血清乳酸値などは、死亡例では、生存例と比較して変動に違いが認められ、この時期はほぼ一致していた。また、これらの時期は血行動態的、細菌学的にsepsisが疑われた時期よりも更に数日前に認められていた。

【結語】 P/F比、CRP値、血清乳酸値などを用いてsepsisに陥った時期をより早期に知ることができる可能性がある。これらの示す時期は、血行動態的、細菌学的にsepsisが明らかになるより数日前であった。

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