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一般演題:[感染]   5月 13日 16:00〜17:00(第2会場)
【 座長 】 吉田 哲憲  (市立札幌病院形成外科)

演題番号:A040 当科熱傷ユニットより検出されたMRSAのDNAタイピングによる疫学的検討  −パルスフィールドゲル電気泳動法を用いて−
相羽 日奈子、仲沢 弘明、山本 有祐、佐々木 健司、野崎 幹弘、志関 雅幸*、内山 竹彦*
東京女子医科大学形成外科、同感染対策科*
【目的】 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下MRSAと略す)の疫学的指標として,現在コアグラーゼ型,薬剤耐性パターン,TSST-1産生能などが用いられているが,タイプのバリエーションが少ないため詳細なタイピングが行われ難い欠点がある。今回我々は,1987年,Smithらが報告したパルスフィールドゲル電気泳動法(以下PFGEと略す)を用いたDNAタイピングを用い感染源・感染経路を検索し、従来法と比較検討したので報告する。

【対象】 1996年7月から1998年1月に当院熱傷ユニット入室の熱傷患者9名より検出されたMRSAならびに医療環境より検出されたMRSAとした。

【方法】 検出されたMRSAに対し生物学的タイピングを行うとともに、BIO RAD社のGenePathシステムを用いて,泳動時間 20時間,電圧6V/cmの条件下にPFGEを行いDNAタイピングし、患者間もしくは医療環境より検出されたMRSAと比較検討した。

【結果】 従来法を用いてのタイピングでは、当科熱傷ユニットより検出されたMRSAは TSSA-1の産生能に若干の違いを認めるもコアグラーゼ型、エンテロトキシンB型などほぼすべての菌型が同一型であったのに対し、PFGEによるDNAタイピングでは数種類のゲノタイプに分類され、交差感染の有無が明らかとなった。

【結論】 1.PFGEによるDNAタイピングにより、従来法では同一型とされていたMRSAの詳細なタイピングが可能であり感染源・感染経路の検索に有用であった。

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