Previous
一般演題:[輸液・栄養・代謝]   5月 14日 08:40〜09:20(第1会場)
【 座長 】 鈴木 幸一郎  (川崎医科大学救急医学)

演題番号:A044 受診前経過時間別の、初日輸液量配分表の作成
田中 直樹、宮里 修、高山 隼人*
国立長崎中央病院 形成外科、同 救命救急センター*
【目的】 熱傷初期の輸液の指示は、搬送、ルート確保、バルーン留置、局所処置のあとになり、しばしば受傷から数時間が経過する。それから受傷24時間までの輸液配分は、経過時間により計算しなおす繁雑さがある。そこで受傷から指示までに経過した時間別に、受傷24時間までの配分がすぐわかる表をあらかじめ作っておき手間を省く。

【方法】 輸液管理する熱傷入院患者に用いる。表は、輸液開始の時間を受傷直後、1時間後、2時間後、、、8時間後のそれぞれについて、一行に指示開始から受傷24時間までの2時間ごとの、初日輸液量(バクスター、4×熱傷面積%×体重Kg)の%配分が書いてある。輸液量はなめらかに推移し、受傷8時間までに初日輸液量の50〜55%が入る。最後頃は2日目の平均輸液量にほぼ等しくなるよう初日輸液量の2%とする。局所処置時に求めた面積から初日輸液量を算出し、あてはまる経過時間を選ぶ。

【結果】 簡単に計算できた。搬送中でも他院でも来院時でも、指示開始までに輸液が入った場合もその量の大小によらず先頭から差し引けばよく、計算は容易であった。

【結論】 表により、受傷から指示までに経過した時間に関わらず、なめらかに推移する初日輸液量の配分ができた。また初日輸液量の20%が受傷2時間までに投与されることでよいならば、面積概算ができれば、救急救命士への指示も可能なことを示唆する。

Previous