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一般演題:[植皮・手術]   5月 14日 08:40〜09:40(第2会場)
【 座長 】 内沼 栄樹  (北里大学形成外科)

演題番号:A048 手指切断を要した熱傷例の検討
木村 中、南本 俊之、國分 一郎*、舟山 恵美*
函館中央病院形成外科、北海道大学形成外科*
【目的】 手は顔面と共に熱傷を受傷し易い場所であり、またその再建も優先されるべき場所である。しかし熱傷深度の深い場合や、症例によっては手指の切断を余儀なくされる場合がある。当科で経験した熱傷症例の中で、手指切断を要した症例を検討した。

【方法】 1991年から1997年までの7年間で、当科で治療した熱傷患者を対象とし、その中で手指切断を必要とした症例を検討した。なお、早期に死亡した症例は除外した。

【結果】 熱傷により手指の切断を要したのは5例であった。年齢は17歳から75歳までと多岐にわたっていた。受傷面積も前腕から手のみの2%のものから、顔面・両上肢・躯幹にわたる35%のものまであった。受傷機転はてんかんなどで意識消失してのもの、精神疾患があり焼身自殺企図したもの、労災事故でのものがあった。片手のみの指切断したものが2例、両手のものが3例であった。受傷から当科入院までの期間は、受傷即日のものが1例で、その他の4例は日時が経過してからの紹介であった。再建方法は10代の男性2例では、機能的予後を考えて、腹壁皮弁や遊離鼠径皮弁を用いての指間形成を行い、その他の3例では分層植皮で再建した。

【結論】 症例数が少なく手指切断例と切断せずにすんだ例との比較は困難であったが、各々の予後を紹介し、症例報告としたい。

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