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一般演題:[植皮・手術]   5月 14日 08:40〜09:40(第2会場)
【 座長 】 内沼 栄樹  (北里大学形成外科)

演題番号:A049 熱傷受傷後の直腸癌の診断により同期手術を施行した一例
奥村 千香、今里 賢一郎
佐世保市立総合病院形成外科
【目的】 熱傷を受傷する患者の中には何かしらの合併症を伴うことも少なくない。今回我々は熱傷受傷後に直腸癌の診断を得、熱傷の治療及び直腸癌に対する手術を同期に施行したので報告する。

【対象】 64歳男性。1997年6月14日溶接の火がシンナーの付着した洋服に燃え移り、両下肢にDDBからDB(BSA30%)の熱傷を受傷し、当院緊急入院した。以前より糖尿病に罹患しており、当院にて内服治療中であった。第10病日両下肢のデブリードマン及び右下肢の植皮術施行。入院時から下血があったが、本人は放置しており、第23病日、当院内科にて直腸癌の診断を得た。第31病日左下肢のデブリードマン及び植皮術に追加して、直腸低位前方切除術を施行した。

【結果】 熱傷に対しては第81病日、追加植皮を施行し、第158病日当院を退院した。現在外来にてリハビリテーションを行っている。

【考察】 熱傷を受傷する患者の中には基礎疾患を有するものも多い。疾患の既往がはっきりしている場合の対処については治療が確立されているが、今回の様に受傷後診断を得た悪性腫瘍に対しては、熱傷と悪性腫瘍のどちらの治療を優先すべきか迷うところである。今回我々は外科及び内科医の協力を得、同期に治療を行うことができたのでここに報告する。

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