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一般演題:[症例報告]   5月 14日 09:40〜10:30(第2会場)
【 座長 】 木所 昭夫  (順天堂大学附属浦安病院外科)

演題番号:A057 高齢熱傷患者へのリハビリテーション看護
土門 奈津子、林 さつ子、豊見山 則子、田中 美砂江、宇井 菜穂子、尾崎 美紀、中須 志乃、桜井 恭子
東京女子医科大学熱傷ユニット
【目的】 下肢熱傷患者では、長期臥床生活を強いられることが多く様々な廃用性障害を生じやすくADLに影響を及ぼす。そのため入院時よりリハビリテーション看護の果たす役割は大きい。患者の意欲、行動力なしに一方的な働きかけではリハビリテーションを進めることは困難である。高齢者の場合、疾病による後遺症、個々のパーソナリティーがADL低下の要因となる。また、様々な状況の適応能力も低下することが考えられパーソナリティーや適応能力を踏まえてリハビリの目標設定をし計画を立てる必要がある。今回、熱傷受傷によりベット上生活となった患者に対するリハビリ看護を振り返り考察した。

【症例紹介】 75歳、男性。既往に脳梗塞による右半身麻痺がある。入浴中、右上下肢、臀部II〜III度 25%熱傷受傷。右下腿切断を行い、会陰部熱傷に対してSkeletal suspensionを施行。創閉鎖に対して4回の植皮術を施行。

【方法】 (1)廃用性症候群の予防を目標に患者のリハビリを行った。(2)患者の精神状態、パーソナリティの把握に努めた。(3)PTの介入を依頼しPTによるリハビリを行った。

【結果・考察】 受傷時、下腿切断後うつ症状が見られ看護婦の行うことに対し拒否的態度を示し患者のペースにあわせたリハビリテーションを計画した。ADLにおいては上半身機能は維持できベット上で行える食事、排泄、整容など自主的な行動が見られ、患者のパーソナリティを把握した上で自主性を促せるかかわりができ、廃用性障害を最小限にとどめることができた。
  しかし下肢のリハビリは、すすまず股関節拘縮が残り患者が目標としていた座位の保持はできずに転院となった。患者のペースにあわせたリハビリを進めることは重要であるが早期より入院前のADLを評価しPT介入の上リハビリ計画を立てること、うつ的状況など専門的な精神科医のアプローチを受けるなど今後の改善も考えられた。

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