一般演題:[統計・疫学1]
5月 14日 10:30〜11:10(第2会場) 【 座長 】 樋口 良平 (都立府中病院形成外科) |
演題番号:A058 | 平成8年度熱傷ユニット入院344症例の検討 |
樋口 良平、村松 正久、小林 国男、島崎 修次、相川 直樹、山本 保博、前川 和彦、野崎 幹弘、菅又 章、黒川 顕、井砂 司、本田 隆司、濱邊 祐一、木村 佑介 | |
東京都熱傷救急連絡協議会 | |
【目的】 東京都では13の熱傷専門治療施設(熱傷ユニット)が集まり、東京都の協力のもとで東京都熱傷救急連絡協議会を運営している。その一環として熱傷入院患者の統計をとっているが、東京都における熱傷救急の現状を知ることを目的として調査検討した。
【方法】 平成8年4月から9年3月までに、我々の施設(13施設の熱傷ユニット)に入院した患者のデータ(年齢、受傷面積、受傷原因、気道熱傷の有無など)を集計した。 【結果】 熱傷ユニットに入院した症例は344症例で、平均受傷面積は18.7%で、平均Burn Indexは14.3であった。平均年齢は43.8歳、平均PI(BI+年齢)は57.7で全症例の死亡率は16.6%(57例)であった。性別では男201例、女143例であった。受傷原因別には火炎が158例(45.9%)、高温液体は98例(28.5%)、爆発は25例(7.3%)で火炎熱傷が最も多かった。年齢別では10歳未満が58例(16.9%)で次いで50才代49例、60才代46例であった。原因別死亡率では火炎熱傷が30.4%と最も多かった。また気道熱傷のみの症例は35例(10.2%)であり、そのうち1例のみが死亡した。気道熱傷に体表の熱傷を合併した症例は合計94例でその死亡率は41.5%で、気道熱傷を伴わない症例は215例で死亡率は16.6%であった。 【結論】 東京都熱傷救急連絡協議会で1年間に扱った症例を検討したところ、原因別では火炎熱傷の死亡率が最も高かった。また気道熱傷合併症例の死亡率は著明に高く、気道熱傷は予後を左右する因子として注目された。 |