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マルチメディア2  5月 14日 16:40〜17:40(第1会場)
【 司会 】 辺見 弘  (国立病院東京災害医療センター)
   渡辺 淑子  (杏林大学高度救命救急センター)
コメンテーター 安瀬 正紀  (横浜市立大学附属浦舟病院熱傷センター)
林 さつ子  (東京女子医科大学熱傷ユニット)

演題番号:M7 熱傷の看護基準とアセスメントシートの開発
竹田 秀子、長谷川 幸子、上原 圭子
日本医科大学付属病院看護部
【背景】 熱傷患者は受傷範囲・深度により入院期間が長期化する。不適切な熱傷ケア管理は、さらに入院期間を長期化してしまう。入院期間を短縮し質の高いケアを提供することが看護婦にも求められている。そのためには、定期的に熱傷深度の分類でどの段階ににあるのか明確にすることと治癒を阻害する因子の有無を確認することが大切である。そこでその段階にあったケアと治癒を阻害する因子へのケアの提供が皮膚の治癒を促進させるのではないかと考えた。

【目的】 熱傷ケア管理のためのアセスメントシートと統一したケアを行っていくための看護基準の開発をすること。

【方法】 実際の事例と看護婦のアンケート調査を用いて、開発した『熱傷の看護基準』と『アセスメントシート』の利点と欠点を検討した。

【結果】 1)アセスメントシートは皮膚の状態、変化を経時的に観察できる利点がある。(2)看護婦のアンケート調査よると、看護基準を用いることで「熱傷患者に統一した皮膚ケアが実施できる。」「医療者による一方的なケアでなく患者を支える家族も一緒に参加することができる。」などの看護婦側の意識の変革がみられ、これらを使用することにより患者の個別的な看護問題が明確になるという利点があった。しかし、この看護基準を活用した4事例のうち2事例は感染を起こしてしまうという欠点もあった。その理由としては『感染を起こしたときのケア』基準がなかったことが原因と考えられた。

【結語】 (1)『看護基準』『アセスメントシート』は看護婦の経験年数に関係なく統一したケアが提供できる。(2)患者の個別的な看護問題が明確になりやすい。(3)看護基準に『感染を起こしたときのケア』を追記していく必要がある。

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