パネル2
5月 14日 14:40〜15:40(第1会場) 【 司会 】 迎 伸彦 (北九州総合病院形成外科) 安田 幸雄 (金沢医科大学救命救急科) |
演題番号:P6 | 高齢者熱傷患者の問題点 |
大慈弥 裕之、谷口 靖、佐藤 典子、真鍋 剛、福田 正、田中 経一* | |
福岡大学形成外科、救命救急センター* | |
【目的】 われわれは福岡大学病院で入院治療を行った60歳以上の高齢者熱傷患者の疫学的調査と予後、および問題点につき検討を行ったので報告する。
【方法】 1993年4月より1997年3月までの4年間に当大学病院に入院した熱傷患者の内、60歳以上の高齢者12人を対象とした。これらの患者の熱傷原因、熱傷部位、合併症、および予後につき調査を行った。 【結果】 男性5人、女性7人。熱傷の原因は熱湯によるものが最も多く、次が焚き火、ろうそくの火が衣類に燃え移ったもの、であり、自殺企図によるものも2例あった。死亡は4例で、死因は熱傷ショックが1例、21%BSAにもかかわらず腎不全と糖尿病合併のため敗血症となった症例が1例、受傷後早期に心筋梗塞を合併した症例が1例、植皮術、上皮化が完了した後に病棟内で突然死をきたした症例が1例であった。 【結論】 高齢者では受傷前合併症として糖尿病や腎機能障害などを有する患者が多く、Burn Indexが少ないにもかかわらず熱傷経過中にさまざまな合併症を引き起こし、死に至る可能性が高い。若年者の熱傷患者より、さらに詳細な病歴の聴取と厳密な全身管理が要求されると考えた。 |