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シンポジウム  5月 13日 15:00〜16:30(第1会場)
【 司会 】 森口 隆彦  (川崎医科大学形成外科)
   佐々木 健司  (東京女子医科大学形成外科)

演題番号:S4 顔面の高度変形・組織欠損の再建におけるFlap prefabricationの有用性について
百束 比古、平井 隆
日本医科大学形成外科
【目的】 熱傷による顔面の高度変形・組織欠損の再建における種々のPrefabricated flapの適用と結果について供覧し、さらにPrefabricated flapの世界的現状についても言及する。

【方法】 Prefabricated flapの分類はKhouriの提言に基づき、Exapanded or delayed flap, Secondary vascularised (SV)flap (pedicle-pedicle, pedicle-free, free -pedicle, free-freeの4 types), Secondary tissue-grafted flap(pre-graft flap ), Combinationとする。以下、われわれの経験した再建部位と術式を示す。1)前頭部DBに対するpedicle-pedicle type SV flap(1例)、2)耳介欠損に対するpedicle-pedicle type SV flap(3例)、3)耳介欠損に対するsecondary cartilag e graft flap(2例)、4)耳介欠損に対するsecondary cartilage grafted flapとSV flapのcombination(1例)、5)外鼻欠損に対するexpanded median forehead flap(3例)、6)外鼻欠損に対するsecondary cartilage grafted flap(1例)、7)上口唇欠損に対するfree-pedicle type SV flap(2例)、8)片側眉毛欠損に対するfree-pedicle typeSV flap(1例)、9)両側眉毛欠損に対するfree-pedicle type SV flap(2例)

【結果】 いずれの症例も手術回数は複数回になったが整容的ならびに機能的に満足すべき結果を得た。

【結論】 顔面熱傷に対するprefabricated flapの有用性は1984年にわれわれが初めてfree vascular bundle transferによるfree-pedicle typeのSV flapを報告した頃は認識が低かったが、1990年代に入りKhouri, Pribaz, Baudetらにより数々の臨床適用が報告されて以来、再評価された向きがある。今後熱傷による顔面の組織変形、欠損の修復再建に本皮弁の有用性がますます高まると考えられる。

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