Teikyo-Harvard Mini Symposium
帝京ハーバード・セミナー(報告)
このセミナーでは、下記の内容で行われ、本年6月3日に厚生労働省から出された「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」の意味について考えました。当日、村田先生は日本語で、Dr.
GrandjeanとDr. Weiheは英語でご講演され、予備的知識を日本語で記した小冊子が配られました(会の様子は写真になっています)。
妊婦は魚を食べない方が良いか
日時: 平成15年11月21日(金)午後4:30〜6:00
場所: 帝京大学医学部・基礎棟6階627
担当: 帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教室
演 者
1.村田勝敬先生(秋田大医学部環境保健学教授)
妊婦は魚を食べない方が良いか(下記2先生の紹介)
2.Dr. Philippe Grandjean*1(南デンマーク大環境医学教授・ハーバード大教授)
Exposure assessment imprecision and its impact on dose-response relationships
3.Dr. Pal Weihe*2(フェロー諸島職業保健公衆衛生部長)
Impact of seafood advisory on mercury and PCB exposure in Faroese women
4.閉会の辞(矢野栄二:帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教授)
*1 Dr. Philippe Grandjean |
Philippe Grandjean先生は、現在デンマーク王国の南デンマーク大学教授(Department
of Environmental Medicine, Institute of Public Health)および米国ハーバード大学公衆衛生大学院教授(Adjunct
Professor of Environmental Health)であり、環境疫学、特にメチル水銀、PCBなどの海洋汚染物質による小児神経発達影響に関する研究分野で世界的に著明な研究者です。1995年に米国環境保護庁(EPA)が設定したメチル水銀の1日当たりの許容摂取量(Reference
Dose)の見直し作業に、彼およびDr. Pal Weihe(下記)が行った「フェロー諸島前向き研究(Faroe
Islands Prospective study)を用いるべき」と米国科学アカデミーが2000年7月11日に発表して以後、この分野の研究者で彼の名前を知らない人はいません。現在、世界のメチル水銀の規制値設定のための基礎的データに彼らの研究結果が使用されています。今回の来日に際して、研究者が自らのデータを解釈する際に陥りやすい「過小(大)評価」をどのように見つけるのかに焦点を当てながら、フェロー研究の概要をご講演されました。 |
*2 Dr. Pal Weihe |
Pal Weihe先生は、現在フェロー諸島病院システムの職業保健・公衆衛生部長かつ南デンマーク大学助教授(Research
Associate Professor)です。1980年中頃より、Prof. Grandjeanとともに「フェロー諸島前向き研究」を実施した1人であり、フェロー諸島の母子コホートにおける曝露および影響指標を収集する際の最高責任者です。フェロー諸島前向き研究の途上で得られたメチル水銀やPCBデータの結果をフェロー諸島住民(特に、妊婦)にどのように還元するかということに焦点を当てながら、フェロー諸島住民の健康についてご講演されました。 |
(会の様子) |
|
|