生物統計学と疫学を学ぶための新たなチャレンジ

平井 岳大さん 博士後期課程3年(2021年6月現在)

大学は農学部出身で、修士課程を終えた後、製薬会社に就職して研究職を15年、そのあと開発を5年経験しました。新たなチャレンジとして、生物統計学と疫学を学び、仕事にも生かしたいと考え、博士後期課程に進みました。帝京大学は他の大学院にはない、自分でテーマを選んで研究できるという特徴があり、そこが大きな魅力でした。

仕事を持ちながら授業に出てレポートを提出したり、研究テーマをまとめて論文として発表したりすることが求められるので、時間管理は大変です。私には家庭があり、中学3年と小学5年の子どももいます。職場や家族に理解してもらっているからこそ両立できていると思いますし、大学院には仕事をしながら研究を続けられる環境が整っていることも、非常にありがたいことです。

また、ともに学ぶ仲間も医師や看護師、薬剤師や理学療法士などの医療関係者だけでなく、栄養士やJICA職員など、さまざまなフイールドをもっている方が集まっています。いろいろな経験をしてきた方と一緒にさらなるステップアップを目指せる環境であることも研究するうえで非常によい刺激になっています。

私の研究テーマは薬、特に抗がん剤の承認審査に重要な、臨床試験での有効性の評価指標に関する研究です。良い薬を早く承認するには何が足りないか、何をしていかなければならないのか、という視点で研究しています。この研究を始めてから父ががんになって、半年前に承認された薬で治療するという経験をしました。こういう薬があるということの有り難さや大切さを、家族という立場でも知ることができました。必要としている人に、早く薬を届けることの必要性をあらためて実感しました。有効性と安全性の両方を確保しないといけないので難しいのですが、だからこそやりがいがある分野だと思います。

大学院では指導教員が2人ついてくれて、非常に丁寧なサポー卜をしてくれます。論文の書き方に関してもきめ細かい指導を受け、発表することができました。「問題解決型アプローチ」という独特の手法が取られていて、問題を発見して情報発信するだけでなく課題解決まで考えて、可能であれば実践して解決するということが求められています。

公衆衛生学研究科では、将来的にその人が携わる分野でリーダーシップを発揮して、良い変化をもたらせる人、社会を変革できるチェンジエージェントを育成するという理念があります。その一つのアプローチが問題解決型アプローチです。チェンジエージェントになるのは簡単ではありませんが、 修了後を見据えて、自分を成長させたいと思っています。

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