MPHの神髄とは

本間陽一郎さん (MPH1年コース修了)

このサイトを閲覧している人は、現場で閉塞感を感じていると推察する。私も閉塞感の打開をするために入学し、4月から新しい生活を開始した。知識は有機的に結合し、新たな分野に魅力を感じた。そのような環境で、1年間が経過した。更なる探求の欲求を抱きつつ卒業を迎えた。
卒後に現場復帰すると、在学中に得た知識は役に立たないことを自覚した。当然であるが、臨床能力が在学中の1年間で伸びることは無い。
言うまでもなく、患者を上手く裁ける医師が優秀な臨床医である。そして、臨床医としての個人能力は、「目標設定を行い、最大効果・最短プランを立案し実行する」ことで評価される。
しかし、現場に復帰すると、他人に働きかけることで「より大きな最短なプラン」の立案を試みる自分がいた。医療は一人で行うわけではない。実は、この「他人に働きかける能力」こそが、MPHの真髄ではないか。
残念ながら、現時点でMPHが必要とされる仕事は日本に無い。今後、MPHに価値を付加できるかは、SPH卒業生が、「他人に働きかける能力」を発揮し、それが各組織に評価されるかどうかにかかっている。そうすれば、僕たちは、医療をもっと良く出来る。

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