人生を変えた3年間

櫻井真理子さん (MPH2年コース2017年度修了)

私がSPHに入ったきっかけは、帝京大学が社会人の学びなおしの場として開始した、産業保健高度専門職養成の大学院プログラム(以下、産業保健プログラム)に参加したことです。10年余り産業保健師として企業で働いてきましたが、自分の役割を模索する日々が続いていました。そんなタイミングで、偶然目に留まったプログラムの案内に、動物的な勘が働き、会社や家族の理解もあり、1年間会社を辞めずに通学することが出来ました。

産業保健プログラムでは、SPHの学生と疫学や統計学を学んだり、多くの企業に実習に行き学びあったりするという貴重な体験が出来、物事を“マス”でとらえるという考え方の大切さを実感しました。授業を通して、同じ産業保健現場で働く人たちと課題を共有したり、SPHの学生の幅広い視点に興味を持ったりすることで、自分の中身が満たされていく喜びに、もっと学んでもいいかもしれないという気持ちが生まれ、SPH入学を決意しました。

タイミングよく、入学した年の6月に第2子を出産し、育児休業中に多くの講義に参加することが出来ました。入ってみると、バラエティに富んだ学生が多く、子育てをしながら仕事もしている学生も珍しくない環境が、私にとってはとても居心地が良かったです。勉学においても、経済や倫理等、産業保健の実務とは少し離れたことも学ぶことで、より自分の立ち位置を考えられたように思います。また、夏と冬に行われる集中セミナーでは、海外の学生と一緒に学ぶ機会があり、自分の子育てに関する考えにも影響を与えられたと感じています。

私にとって一番ハードルが高かったのは、課題研究です。在学中にやり遂げなければいけないという状況で、どんなテーマがいいのか、どんな研究方法がいいのか、データ収集はどうするのか等、分からないことだらけでした。しかし、担当してくださった矢野先生に丁寧なご指導を受け、他の先生方や同級生の協力もあり、どうにか形として残すことが出来ました。

産業保健プログラムに参加する前の悶々としたときに、このような大学院生活が送れるとは思っていませんでしたし、世界の広がりや自分自身の成長等、たくさんの価値あるおまけがこんなに残るとは思っていませんでした。このバージョンアップを、息子たちが生きるこれからの世界が、より良いものとなるために、活かしていこうと思います。

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