ペインセンター(痛み相談・治療室)
■特色■ 他科で行われる治療法でコントロールの困難な痛み全般を取り扱う。よく扱われる痛みに、腰下肢痛、頚肩腕痛、帯状疱疹痛、帯状疱疹後神経痛、反射性交感神経萎縮症、血行障害による痛み、癌性疼痛などがある。治療法は薬物療法や神経ブロック療法が中心であるが、必要に応じてレーザー治療、電気刺激療法、東洋医学的療法なども行っている。また慢性疼痛患者に必要な「疼痛行動」の改善に焦点をあてた生活指導、カウンセリングなどもに行っている。当ペインセンターでは、痛み治療は本来集学的治療によるべきであるとの概念を基本とする。従って他科、とりわけリハビリテーション科や精神神経科との連携は重要視しており、今後さらに発展させてゆく予定である。
また末期癌患者の終末期医療にも積極的に関わっており、当院の緩和ケアチームや在宅でのターミナルケアの中心的な役割を担っている。ここでは疼痛に限らず末期癌患者の様々な苦痛(吐き気、呼吸困難、腹満感など)の軽減にも努めている。特に平成14年度の保険診療制度の改正により、院内での緩和ケアに関する活動は積極的になっている。緩和ケアチームは、身体症状をコントロールする医師、精神症状をコントロール医師(精神科医)、緩和ケアを専門とする看護師からなるが、当院でも5月からチームを編成し、診療活動を開始している。活動の拠点はペインセンターにおいており、ペインセンターの医師はその中心的役割を果たしている。それに伴い在宅ターミナルケアも益々その活発な活動を24時間体制で行っており、末期癌患者のQOL向上に寄与している。
■症例数・治療・成績■ ペインセンターの年間の外来患者数は約3500例で、そのうち初診は約200例である。内訳は腰下肢痛約30%、頸肩腕痛約5%、帯状疱疹痛および帯状疱疹後神経痛約20%、反射性交感神経萎縮症(カウザルギアを含む)約5%、癌性疼痛約15%、血行障害による痛み約5%、その他約20%である。ペインセンターとしての入院は年間約20例であるが、常時病院全体で10名程度の入院患者の疼痛管理を、依頼されて行っている。
X線透視下での神経ブロックも積極的に行っており、年間症例数は約100例である。腰部交感神経節ブロック、神経根ブロック、椎間関節ブロック、腹腔神経叢ブロック、下垂体ブロックなどの症例が多い。また難治性疼痛に対する脊髄硬膜外電気刺激も行っており、1999年は4例施行した。
在宅ターミナルケアでは原則としてペインセンターの医師が主治医となるが、新患は年間約30例である。
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