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1. 熱傷の予後を左右する因子を4つ以上説明できる

【特殊部位の熱傷】

 生命予後ばかりでなく、合併症の発生や形態・機能上の問題から入院治療が必要で特別の配慮がされるべき熱傷部位がある。

  1. 顔面・頸部
     顔面に熱傷があれば、気道熱傷の合併を疑う必要がある。気道熱傷を合併すると生命予後を悪くする。眼部の熱傷では眼球損傷による失明眼瞼周囲瘢痕による兎眼に注意しなければならない。実際には、眼球(角膜)の熱傷は少ない。爆発などでも意識のある患者では瞬時に閉眼するため角膜損傷を伴うことは少ない。一方、意識障害があると角膜の損傷を伴い失明することがある。
     口唇周囲や頸部の熱傷もIII度熱傷があると瘢痕拘縮により開咬傷害を来しやすい。

  2. 関節(肩、肘、手、膝、足)
     美容上以上に機能上問題となる。早期に痂皮の切除や植皮を要するため入院治療が望ましい。

  3. 会陰部
     清潔を保つことが困難で、広範囲な熱傷に合併していると生命予後に影響する。感染を最小に抑え排尿、排便の管理を行うため入院治療が原則とされる。


[ REFERENCES ]
 最新の熱傷臨床ーその理論と実際ー. 平山峻,島崎 修次編. 克誠堂出版株式会社,東京,p.90,1994.

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帝京大学救命救急センター
Trauma and Critical Care Center,
Teikyo University, School of Medicine
鈴木 宏昌 (dangan@ppp.bekkoame.or.jp)
Hiromasa Suzuki, MD
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