【火炎による熱傷】 熱傷の深度は、その原因によっておよそ決定してしまう。火炎は極めて高温であり、接触時間が短くても多くの場合III度の熱傷(full thickness burn)となる。
このように煤が付いたり、炭化して黒くなることもあるが、炭化した熱傷をIV度と表現することは誤りである。熱傷の分類はあくまでも解剖学的な皮膚(表皮〜真皮)の損傷深度によって分類される。
この症例は、灯油をかけて焼身自殺を図ったもので、背面はIII度の熱傷である。III度の熱傷の特徴は、「羊皮紙様」と表現される。一見、正常な皮膚と良く似た色調をしているが、痛覚はなく、触るとカサカサして乾燥した感じで弾力のある柔らかさがなくて、つまむことができない。 |