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1. 熱傷の予後を左右する因子を4つ以上説明できる

【熱傷の頻度】

 熱傷は、一生の内にだれでもが一度は経験すると言っても過言でないほど頻度の高い外傷であるが、広範囲熱傷の頻度はそれほど高くはない。入院を要する重症熱傷の頻度はおよそ<2.5〜3.0人/人口10万/年>(東京都での統計から)と考えられる。

【熱傷の原因】

 熱傷とは、広い意味では皮膚の物理化学的な損傷であり、原因として火炎、過熱液体、化学物質、放射線などによるものが含まれる。高温ばかりでなく低温による損傷である凍傷も皮膚の損傷については熱傷と同様に扱われる。(熱傷の原因と用語)

【熱傷の予後を左右する因子】

 「重症熱傷」の定義は、一般的に「成人30%以上、幼小児15%以上の熱傷面積」と言われている。熱傷の重症度を規定している最大の因子が熱傷深度熱傷面積であることは容易に理解できよう。しかし、生命予後と言う観点からすると、予後に大きく影響する因子は他にもある。何が熱傷の死因となるのかを理解することが重要である。
 熱傷の予後を決定づける因子として次のものが重要である。

  1. 熱傷深度
  2. 熱傷面積
  3. 年齢
  4. 気道熱傷
  5. 合併損傷
  6. 既往疾患
  7. 熱傷の原因
  8. 熱傷部位
  9. 受傷後経過時間

  これらを加味した重症度の基準として、<Artzの基準(1957)>や<Benaimの基準(1970)><Moylanの基準(1970)>のような基準が知られているが、入院の適応はそれそれの施設で独自に定めているところが多い。


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帝京大学救命救急センター
Trauma and Critical Care Center,
Teikyo University, School of Medicine
鈴木 宏昌 (dangan@ppp.bekkoame.or.jp)
Hiromasa Suzuki, MD
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