【熱湯による熱傷】 10才未満の幼小児の熱傷の原因としてもっとも多い。高温液体が熱湯である場合、液体の温度は100℃を越えることはなく、火炎による熱傷に比べると熱傷深度は浅いことが多い。短時間の接触ではIIs(Superficial Dermal Burn)に留まることが多いが、熱湯や味噌汁、スープなどは液体の熱容量そのものは大きく、接触時間が長くなるとIId(Deep Dermal Burn)からIII度(Dermal Burn)に達することもある。
これは最も典型的な熱湯による熱傷で、IIsの例である。大きな水疱(brister)は破れやすく、破れた水疱の下は、赤く発赤し浸出液の多い湿潤した創面を呈する。知覚はあり、触るととても痛い。IIsはおよそ2週間(10日〜14日)程度で治癒する。通常、色素沈着や瘢痕を残さない。
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