【熱傷治療の腕試し 02】
正解です!

- 血液ガスではPaO2は十分に高いので、酸素濃度を30%に下げる ×
PaO2とは血漿中に溶解している酸素の酸素分圧であるが、血液によって運ばれる酸素のほとんどは赤血球中のヘモグロビンによる。Hbの酸素飽和度は通常はPaO2に依存しPaO2が100mmHg以上あれば100%に達する。しかし、この患者ではCO-Hbが28%もあるため、酸素と結合できるHbは72%しか残っていない。これがCO中毒であり、Hbと結合したCOをO2に速く置き換えるには高濃度のO2を投与することが必要である。
- pHが7.246でBEが-5.3とアシドーシスなので重炭酸ナトリウム液を投与する ×
Acidosisとなっている理由は、CO中毒によるhypoxiaであり、hypoxiaを改善することが重要であり、この程度のacidosisを補正する意味はない。
- 白血球の増多が見られ感染が疑われるので抗生剤の投与を開始する ×
外傷や熱傷、その他急性疾患では発症直後から末梢血中の白血球数が増加することは正常な生体反応であり感染を意味しない。しかし、この症例で抗生剤を投与することは間違っているとは言えない。気道熱傷があり、広範囲の熱傷であるので肺炎の合併を防ぎ、創感染を抑制するため抗生剤は投与される。
- 血尿が見られるので、膀胱内洗浄を行う ×
これは血尿ではない。血尿とは赤血球尿のことであるが、この赤褐色尿はヘモグロビン尿、あるいはミオグロビン尿を示している。両者の鑑別には、尿の遠心分離を行えば分る。血尿では赤血球が沈澱し上清は黄色透明であるが、ヘモグロビン尿では上清は赤色のままである。ヘモグロビン尿であれば、ハプトグロビンの投与を考慮する。
- 上記のどれも行わない ○
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