「物忘れ」で困っている方、「物忘れ」がみられ、何か脳の病気がないか心配なさっている方を対象にした専門外来です。

　軽度な「物忘れ」は、健康な方でも老化現象としてみられますが、アルツハイマー型認知症の初期である可能性もあります。また、「物忘れ」が「うつ病」に伴ってみられる場合もあります。脳梗塞や脳腫瘍などによって「物忘れ」が起こることもあります。慢性硬膜下血腫、特発性水頭症などによる「物忘れ」は手術で治療可能な場合もあります。

　当専門外来は「物忘れ」の程度、症状を分類し、その原因を追究し、その対策、治療について検討するための外来です。特に、脳神経外科的な病気との鑑別、アルツハイマー型認知症をできるだけ早期に診断することを目標としています。

■診療日は火曜日午後です。予約をお願いします。可能であれば、病歴聴取のため家族の方の同伴をお願いします。

■診療内容：患者さんが外来に来られると次のような診療を行います。

・生活歴・病歴についての質問（「物忘れ」のために困っていることなど）

・一般診察・神経学的診察

・血液検査（生化学的検査および血算、甲状腺機能、ビタミンB群、ホモシステイン）

・神経心理学的検査（精神神経科、臨床心理士に依頼）（予約にて）

・MRI（形態学的診断；脳梗塞、脳腫瘍、水頭症、慢性硬膜下血腫の有無、脳萎縮等）（予約にて）

・SPECT（機能的検査；脳血流の低下部位を診断可能）

＊脳に器質的な疾患がある場合を除いて、基本的に入院加療は致しません。介護等に関する相談は医療相談室にてお受けいたします。

薬物療法等の施行に当たっては、詳細なレポートとともにかかりつけの病院・診療所等にご紹介いたします。

「物忘れ」診断外来開設のご案内（医療機関用）
　帝京大学溝口病院脳神経外科では、当院精神神経科の協力を得まして、平成18年8月1日より、院内で「物忘れ」専門外来を稼働しておりましたが、この度、9月1日より対外的にも受付を開始することとなりました。

　最近、認知症に対する社会的な関心が高まっており、当院においても積極的に認知症に関わり、その検査を実施することは、地域社会、および近隣医院・診療所のニーズを満たすものと考えました。当院における「物忘れ」診断外来開設の目的は、１．治療可能な認知障害である脳神経外科的疾患の鑑別と、２．認知症の早期発見により、投薬等の治療でその進行を遅らせたり、早期から適切な介護サービスにつなげたりして、患者様本人・さらに家族の方々の生活の質をできるだけ保つことにあります。

　専門外来は、毎週火曜日午後2時からの予約制です。脳神経外科外来または受付044－844－3579（予約センター）より、ご予約いただければ幸いです。診察の際には、家族の方からの病状の聴取が重要となりますので、できるだけ家族同伴での受診を促してください。

　専門外来での診療内容は、初診時の問診、神経学的検査、血液学的検査（甲状腺機能低下症、ビタミンＢ群欠乏症、梅毒等の鑑別）、精神神経科にうつ病の鑑別および神経心理学的検査、MRIによる形態学的異常（脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、特発性水頭症等の鑑別）、SPECT（脳血流検査；脳機能画像）を適宜施行いたします。初診から最短2週間で結果が判明する予定です。原則として、入院を前提とした検査は実施いたしません。

　診察後は、診療情報提供書としてご報告申し上げます。その後の診療は、基本的には「かかりつけ医」の先生にご依頼いたします。定期的なフォロー等が必要な場合は、診療情報に明記いたします。症状に大きな変化が現れた場合にはいつでもご相談下さい。可能な限り対応いたします。

また、当専門外来受診患者様に関しましては、家族のご希望があれば、医療相談室にて、認知症介護に関するご相談を承っております。初診時より対応しており、当外来から患者様にご紹介する場合もございます。

　ご紹介宜しくお願い申し上げます。また、ご意見・ご要望等がございましたら、ご連絡いただければ幸いです。尚、当外来はあくまで診断目的の外来診療であり、入院目的のご紹介は受け付けておりませんので、ご了承の程お願い申し上げます。

平成18年9月1日

〒213－8507神奈川県川崎市高津区溝口3－8－3

帝京大学溝口病院脳神経外科　担当医：中根　一　　　

電話044－844－3333（代表）