眼 痛 ocular pain

異物感 sensations of presence of a foreign object

眼痛

「眼痛」「眼窩痛」は,日常の臨床で最も多く聞かれる主訴のひとつである.原因や部位で,痛みの性質に差が出てくる.
いわゆる「目の痛み」は,眼疾患に限らず,眼球・眼窩の知覚を支配する叉神経領域の疾患による放散痛としても現れる(眼性頭痛).
これにより,眼科領域であるか他科疾患になるか,緊急性はどうかの判断が重要となる.

異物感

要するに「ゴロゴロする」「しぶい」などといった症状.
角結膜異物のほか,角膜上皮離,睫毛乱生,眼瞼内反,結膜結石,各種の結膜炎,ドライアイなどが原因.

■支配神経

叉神経第1枝・眼神経による.眼神経はさらに鼻毛様神経,前頭神経,涙腺神経の枝に分かれる.これにより,眼球・眼瞼のほか,周囲の皮膚,涙道,眼窩,副鼻腔,歯,神経疾患,眼精疲労などで眼痛の訴えが生じる(放散痛).

■眼痛

眼科領域での「痛み」には,眼球痛・眼瞼痛・眼窩痛・眼周囲痛を区別する.
ⓐ眼球痛~表在性あるいは深在性,
ⓑ眼瞼痛あるいは表層痛,
ⓒ眼窩痛~球後痛あるいは眼球運動痛,
ⓓ眼周囲痛は特に頭痛の部として
などがある.

この領域の知覚異常は患者がその局在を正確に表現することなく,さまざまな言葉で違和感を訴え,「流涙」や「羞明」を伴う.

■原因

 ・眼瞼眼窩疾患
          ①眼瞼腫脹眼瞼膿瘍,麦粒腫,急性霰粒腫,眼部帯状疱疹,涙腺炎
          ②涙部腫脹急性涙
          ③眼球突出眼窩蜂窩織(蜂巣織)炎
          ④副鼻腔急性副鼻腔炎(いわゆるチクノウ
 ・異物飛入,コンタクトレンズ障害,ドライアイ,電気性眼炎など角膜上皮障害
 ・角結膜炎(角膜潰瘍を含む),角膜ヘルペス,細菌あるいは真菌感染の角膜潰瘍,再発性上皮
 ・ぶどう膜炎(特に,虹彩毛様体炎),強膜炎,上強膜炎,眼内炎,全眼球炎
 ・急性眼圧上昇(急性緑内障発作),絶対緑内障
 ・屈折異常
 ・偏頭痛/群発頭痛,側頭動脈炎,発熱時
 ・神経疾患視神経炎,叉神経痛,Tolosa-Hunt症候群(眼球運動障害,眼瞼下垂を伴う上眼窩裂症候群),眼窩先端部症候群,
 ・脳外科疾患クモ膜下出血,髄膜炎,内頸動脈瘤,頭蓋内圧亢進


☆頭痛って?  関心のある人は こちら外部リンク

国際頭痛学会・新分類(2004)によると

ここでは詳細は省いたが,閃輝暗点 は視覚性前兆といい,「前兆のある片頭痛」に位置づけられている.
また群発頭痛は,副交感神経を介して縮瞳や結膜充血を起こすことで注意が必要である.
眼筋麻痺性片頭痛は,13. 頭部神経痛および中枢性顔面痛の群のカテゴリーと考えられている.

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