２）内視鏡下甲状腺・副甲状腺手術（腋窩〔脇の下〕からの手術と前胸部からの手術）

　私達は早くから内視鏡手術を取りくんできており、腋窩､あるいは前胸部からの内視鏡手術を独自に開発､確立いたしました｡海外でも高い評価を得ており､外国へも手術のため招聘されております｡
この方法は首に傷がなく、美容上非常に満足でき、周りの人からも甲状腺の手術を受けたことが分かりません。さらに、首を切開しないため首にまつわるいろいろな愁訴〔いやな症状〕も非常に少なくなります。また、首に傷がないことは、ご本人が首の手術を受けたという嫌悪感からも解放され、精神的にもいい結果が得られます。この内視鏡手術ができるのは、大きくない甲状腺腫、小さな癌、バセドウ病などです。我々の内視鏡手術は極めて高度な技術を必要とするもので、いま幾つかの施設で行われている内視鏡手術の中でも傷が小さく、手術後の痛みや回復が早い低侵襲性手術です。

　簡単にその手術法をご説明しますと、大きく分けて２通りの方法があります。２通りとも、私達が開発した方法です。第１の方法（前胸部法）は鎖骨の下、約３−５ｃｍのところに甲状腺では径１２ｍｍ、副甲状腺では径５ｍｍの切開創を作り、その左右に径５ｍｍの切開創を２カ所作り、腫瘍を切除し、取り出します。〔図〕

　それに対し、第２の方法（腋窩法）はわきの下に３０ｍｍと５ｍｍの切開創を１ヵ所ずつ作り、そこから管を入れます。わきの下の傷は周りの人は勿論のこと、ご本人でさえほとんど見えず、手術のことを忘れてしまう方もいます。〔図〕

　しかし、肩から首にかけて違和感、しびれ、軽い痛みなどが、手術の後しばらく残ることがありますが、手術後３ヵ月もすると驚くほどきれいに消えていきます。

　簡単に内視鏡下手術についてご説明させていただきました。これらの手術法にはそれぞれ長所,短所があります｡いままで行われてきました首を大きく切開する通常の手術（開放手術）との違いなどについても,直接詳しくご説明いたします。

　簡単に内視鏡下手術についてご説明させていただきました。これらの手術法にはそれぞれ長所,短所があります｡いままで行われてきました首を大きく切開する手術（開放手術）との違いなどについても,詳しく直接ご説明いたします。