鋭的損傷(刺創)のうち、刃物以外の比較的鈍的構造物の刺入した損傷を「杙創:よくそう impalement injury」と言う。杭(くい)、鉄棒など棒状の構造物により、このような構造物の上に落ちたり、爆発により飛来して突き刺さって受傷する。
次のような特徴がある
- 刃物に比べ刺入物自体が一般に大きい
- 損傷挫滅範囲も大きい
- 刺入物は汚れていることが多い
損傷の程度や重症度は損傷部位によるのでまとめて論じることに意味がない。
刺創全体の原則として、
- 抜去せずに搬送すべきである
- 損傷組織の解剖学的位置関係を明らかにしてから抜去する
特に主要血管との解剖学的位置関係を明らかにする
- 出血性ショックにあれば、検査よりも手術が優先される
- 手術にあたっては、「死腔を極力少なくする」ことが肝要
- 創内を十分洗浄する
- 創内のデブリードマン(壊死組織の除去)を十分する
- 止血を確実に行う(動脈性、woozingはやむを得ない)
最近の「杙創」
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