どんな病気 / 症状 / 検査と診断 / 治療

どんな病気:
 副甲状腺以外の病変によっておこった低カルシウム血症のため、カルシウム濃度を上げようとして、二次的に副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態です。
持続的に副甲状腺が刺激されるため、副甲状腺は過形成となり、増加した副甲状腺ホルモンにより血中カルシウム値は上昇しますが、その代償として骨密度の減少や異所性石灰化などがおこってきます。
慢性腎不全で透析中の患者さんにみられる腎性骨異栄養症が典型例で、そのほか吸収不全症候群などの消化管疾患、抗けいれん剤や骨吸収抑制剤などの薬剤投与中で低カルシウム血症のおこってくる場合にもみられます。

原 因
 ほとんどは慢性腎不全により長期にわたり透析を受けている患者さんにおこります。4個の副甲状腺のすべてが、大なり小なり腫大し、過形成の状態になります。

検査と副甲状腺手術の適応(このような方は手術を受けられるのがよいです):
 1)副甲状腺ホルモン(PTH)が高値を示す方、
 2)画像診断で腫大した副甲状腺腫が確認できる方、
 3)線維性骨炎、骨回転の亢進がみられる方、
は確実に手術を受けられることを推奨します。

 また、透析センターでの内科的治療で改善しない方も手術の適応になります。すなわち、カルシウム値の高い方、リン値が高くなりそれをコントロールできない方、異所性石灰化が進行した方、骨関節痛、かゆみ、イライラ感、筋力低下などの自覚症状がある方、高度な線維性骨炎により骨格が変形している方、骨塩量が減少してきている方、エリスロポエチンに抵抗性の貧血のある方、などが手術の対象となります。

 画像診断で4個ある副甲状腺の腫大の程度を調べます。これには超音波検査(エコー)がよく、アイソトープ検査としてMIBI(ミビ)シンチグラムも有用です。必要があればCTス検査、MRIなどの画像診断も行います。